「サステナブル」って、知っている?
サステナブルとは、
「ずっと続けていける」という意味
サステナブルとは、英語で「ずっと続けていける」という意味の言葉です。
いま世界中の人たちが、世界中みんなの目標として「サステナブルな社会」、つまり「未来もずっと暮らし続けていける世の中」をつくることに取り組んでいます。
「サステナブルな社会」をつくる。それは、自分のことだけを考えるのではなく、自然や生きもののこと、よその国の人たち、困っている人たちのことまで考えて、大人になったキミたちや、その先の未来の人たちも、ずっと暮らしていけるようにすることなのです。
どうして「サステナブルな社会」
の考え方が必要になったんだろう?
地球で暮らす
人たちがどんどん増えていくと…
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地球では年々、人口が増えています。これからは、もっとたくさんの人たちが地球で暮らすようになります。
そうすると、いままで以上に食べ物が必要になります。モノをつくるためや、機械などを動かすためのエネルギーも必要になります。けれど、地球にある資源は限られているのです。限られた量の資源をいま生きている人たちがどんどん使ってしまうと、未来の人たちが暮らすために必要な資源が足りなくなってしまいます。それでいいのでしょうか。
自然がどんどんなくなってしまったら…
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また、必要だからと食べ物やモノを増やすための土地をどんどん広げていくと、自然がなくなったり、こわれてしまったりして、生きものが生きていく場所もなくなってしまいます。生きものが住めないところが人間にとって生きやすい場所とは言えませんよね。
地球があたたかくなりすぎてしまったら…
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いまのように便利な暮らしを続けていくと、地球をあたためてしまうガスもどんどん増えていき、地球があたたかくなりすぎてしまいます。たとえば北極の氷がとけてしまったり、世界各地の気候がおかしくなって、暑くなりすぎたり寒くなりすぎたりすることもすでに起き始めています。そうすると、野菜や小麦などの作物がつくれなくなって、ごはんを食べられない人も出てきてしまいます。
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未来のために、世界が動いた!
そんな、みんなが困ってしまう未来は絶対にイヤですよね。だから、世界が動きました!
世界中の国々の代表が集まって、話し合って、アイデアを出し合って、「サステナブルな社会」、つまり「未来もずっと暮らしていける世の中」をつくるために、世界中のみんなが取り組む「目標」をつくったのです。世界中のみんなで力を合わせて、未来をよいほうへと変えるために。
未来を変えるためにうまれたのが、
SDGs(エス・ディー・ジーズ)という目標。
未来を変えるためにうまれた
のが、
SDGs(エス・ディー・ジーズ)
という目標。
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SDGsとは、「未来もずっと暮らしていける世の中」をつくるために、世界中のみんなで取り組もう!
という目標です。この目標を達成することをめざして、みんなで考えて、みんなが毎日の中で行動していこうというものです。
未来のために、2030年までに解決しておかなければならないことを17の目標としてつくりました。
貧困をなくそう
世界には、お金も仕事もなくて、住むところもなく、病気になってもお医者さんにかかることもできないような、貧しい暮らしをしている人がたくさんいます。そんなふうに困っている人が一人もいなくなるようにします。
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知っている?
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いま世界では、日本の人口(約1億3000万人)の7倍近い人たち、約7億8300万人が、1日1ドル90セント未満で生活をしています。その数は、世界人口の10人に1人です。
1ドル90セントとは
日本円で200円※ちょっと
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日本だと、
1リットルの牛乳1パック
ぐらいしか買えないお金で
1日を生活しているんだ
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極度の貧困に
苦しんでいる人たちは、
とくに
南アジアと
アフリカ南部に
集中しているんだって
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※1ドル換算レートを110円とした場合
考えてみよう!
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貧困は、ほかの国だけの問題じゃない。たとえば日本では、どうなんだろう? 貧困になると、何が起こるの? どんなことで困るんだろう。みんなで考えてみよう。
飢餓をゼロに
ごはんを毎日食べられない人をなくそう
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世界には、ごはんを食べられず病気になってしまったり、死んでしまったりする人がたくさんいます。そんな人たちが生きていくために必要な食べ物を毎日手に入れられるようにします。
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知っている?
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世界では、約8億1500万人が、毎日おなかをすかせています。 それは世界の9人に1人が飢えているということ。子どもではさらに深刻で、4人に1人が飢えに苦しんでいます。
※飢餓とは、食べるものが十分になく、
いつもおなかがすいていて、栄養不良の状態のこと。うえて死んでしまうことを、餓死といいます。
食べ物がなくて、
死んでしまう子どもが
たくさんいるの?
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その危険が高いし、
栄養が足りないと、
身体が大きくならないだけ
でなく、知能の発達も
遅れてしまうこともあるんだ。
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その反対で、
食べ物を食べすぎて
しまう人もいる。
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先進国では、食べすぎて
「肥満」になり、
身体
をこわしてしまう人もいる。
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世界の大人の肥満人口は
6億4100万人※!だって。
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うーん
それはそれで問題…
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※イギリスの医学雑誌「The Lancet」より
考えてみよう!
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世界には、食べ物がなくて苦しんでいる人がいる一方で、食べすぎて肥満になやむ人がいる。飢餓をなくすために、できることはなんだろう? みんなで考えてみよう。
すべての人に健康と福祉を
ずっと健康に生きていけるようにしよう
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世界では、赤ちゃんや赤ちゃんを生んだばかりのお母さん、小さな子がいろんな原因で死んでしまう国がいくつもあります。病院をたくさん作ったり、病気についての知識を伝えたり、予防をしたり、みんなが病気にならず健康でいられるようにします。
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質の高い教育をみんなに
だれでも教育を受けられるようにしよう
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世界には、学校に通えない子どもがいまもたくさんいます。貧しい人も、男の子も女の子も、だれでも学校に通えるようにして、しっかりとした教育を受けられるようにします。また、大人の人にも、技術を身につけるなど、働くための教育が受けられるようにします。
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知っている?
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2000年以降、発展途上国でも学校で学べる子どもの数は増えています。それでも世界には、いまだ小学校に行けない子どもが約5700万人います。基本的な計算と読み書きができない若者も、6億1700万人。その数は、日本の人口の約5倍※にあたります。
※日本の人口を約1億2630万人とした場合
平成31年2月時点での総務省の人口推計より
そのほとんどは、ふん争の
えいきょうがある地域で
暮らしているんだ
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ふん争って、国や地域が
武力で争っている場所の
ことだよね
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女の子、という理由
で、学校へ行けないことも
あるんだ
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えっ
女の子だから?
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考えてみよう!
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十分な教育が受けられないと、どうなるんだろう。みんなが学校へ通えるようになるためには、どうしたらいいんだろう。みんなで考えてみよう
ジェンダー平等を実現しよう
女の人や女の子も、男の人や男の子と平等にしよう
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世の中には、女の人や女の子が「女性」だからという理由で差別されていることがたくさんあります。そんな差別をなくし、だれもが同じように、学校へ行ったり、家事をしたり、働いたり、政治に参加したり、リーダーになれたりすることができるようにします。
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安全な水とトイレを世界中に
だれでも安全な水と清けつなトイレを
使えるようにしよう
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世界には、きれいな水が手に入らなくて、よごれたままの水を飲んだり、使っていたりする人がまだたくさんいます。トイレも清けつなものとは限りません。そのため病気になってしまう子どもや大人もたくさんいます。みんなが、きれいで安全な水、清けつなトイレを使えるようにします。
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エネルギーをみんなに
そしてクリーンに
自然の力でつくるエネルギーを
だれでも使えるようにしよう
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石炭や石油など限りがあり、燃やすことで地球温暖化の原因となるようなエネルギーではなく、太陽の光や風、水力や、地熱、木材や家畜のフン、海の波などの自然の力を利用してつくるエネルギーを、だれでも使えるようにします。
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働きがいも経済成長も
だれもがやりがいのある仕事が
できるようにしよう
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世界では、まだ子どもなのに学校にもいかずに働いている子や、わずかなお金で大変な仕事をたくさんさせられている人が数多くいます。
だれもが「やっていてよかったな」とやりがいを感じ、お金を得られるような仕事ができるようにします。
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産業と技術革新の
基盤をつくろう
暮らしを支える仕組みや技術が
どんどん進む土台をつくろう
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だれもが安心して安全に暮らしていけるように、災害に強い建物や鉄道、水道・ガス・電気、インターネットなどの暮らしに必要なしせつやサービスをつくるための新しい技術がたくさんうまれるようにします。
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人や国の不平等をなくそう
国と国や、同じ国の人同士の
不平等をなくそう
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国によって、豊かな国もあれば貧しい国もあります。同じ国の中でもすごくお金持ちの人もいれば、とても貧しい暮らしをしている人もいます。そんなちがいがなくなるように、貧しい国や貧しい人たちがいれば助け合って不平等がなくなるようします。
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住み続けられる
まちづくりを
ずっと住み続けられる
安全で安心な
まちをつくろう
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災害に強い安全なまちや、豊かな自然のあるまち、障がいをもった人や赤ちゃん連れ、お年寄りも安心して使える電車やバスなどの乗り物が走っているまちなど、だれもがずっと住んでいたいと思えるような暮らしやすいまちにします。
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つくる責任、つかう責任
資源をムダにしないようにつくったり、
使うようにしよう
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ものをつくる人、販売する人(生産者から工場、お店まで)は、資源のムダづかいをせず、自然をよごしたり、人の身体に影響を与えたりするゴミを減らします。つかう側の私たちは、生活スタイルを見直し、ごみを減らす(リデュース)、一度使ったものを何度も使う(リユース)、使ったあと資源にうまれ変わらせる(リサイクル)の3R(スリーアール)をすすめたり、かしこい買い物を心がけるようにします。
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知っている?
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日本では、食べられるのに捨てられている「食品ロス」が拡大しています。その量は、1年で約646万トン※。
※環境省発表「平成27年度の食品廃棄物等及び食品ロスの量の推計結果」より
よく、東京ドーム
〇個分とか、〇はい分、
っていうよね。
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646万トンは東京ドーム
約5はい分だね
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それだけの食品が
あまっているのに、
世界の飢餓は
救えないの?
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うーん。うーん…
(難しい…)
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考えてみよう!
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どんな場所で多くの「食品ロス」が発生するんだろう。家庭、学校、お店など、場所ごとに、どうしたら減らせるのか、考えてみよう。
気候変動に
具体的な対策を
気候の変化による影響が
少なくなるよう行動しよう
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地球温暖化を止めるために、二酸化炭素などの温暖化ガスを出さない努力をすることや、すでに起き始めている異常気象(今までにない冷夏や暖冬、またはその逆や、大きな台風や大雨が降ること)に対応できるまちづくりをするなど、気候の変化による影響をできる限り少なくするよう行動を変えていきます。
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海の豊かさを守ろう
海の自然と海の生きものを守ろう
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海をゴミなどでよごさず、海の生きものをたくさんとりすぎないようにして、未来でも海がきれいで、生きものたちがたくさんいて、その恵みを受けられるようにします。
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陸の豊かさも守ろう
陸の自然と生きものを守ろう
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砂漠になってしまう場所を減らしたり、動物や虫たち、植物などの陸上の生きものたちが暮らす場所、森や山などの自然を大切に守ったりして、人間も含むたくさんの生きものがこれからもずっと生きていけるようにします。
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平和と公正をすべての人に
争いごとや暴力のない平和な世の中をつくろう
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世界には、悲しいことに戦争やふん争によって命を落とす人がいます。また、体や心に深い傷を受ける虐待もあります。こうした争いごとや暴力などがなくなるようにして、平和でだれもが安心して暮らせる世の中にします。また、法律による裁判を世界中のどの国でも受けられるようにします。
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パートナーシップで
目標を達成しよう
目標をかなえるためにみんなで力を合わせよう
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2030年までに、これらの目標をかなえられるように、国や自治体、企業、団体、個人など、世界中の人たちが協力し合っていきます。また、まだ貧しい国が目標を達成できるように、豊かな国はお金や技術を使って助けるようにします。
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※主な数字は、国連発表の(About the Sustainable Development Goals)に掲載されている「事実と数字(Facts and Figures)」より抜粋。
2018年12月現在
※参考文献:『未来をかえる目標 SDGsアイデアブック』
※ここで紹介している情報は、2019年3月時点の情報をもとに執筆しています。
※国名は略称です。
更新日:
貧しくて困っている人をなくそう