2024.03.21
子どもたちに笑顔の時間を。さまざまな協力で実現した、しまじろうの被災地慰問
2024年1月1日。新年を祝う特別な日として、子どもたちが心待ちにしていたであろう元日に発生した令和6年能登半島地震は、日本全国に大きな衝撃と、深刻な被害を現地にもたらしました。発生から時間が経過した今もなお、その影響は被災地域に住む多くの子どもたちの日常生活に及んでいるといいます。
災害の余波が続く中で、ベネッセコーポレーションの幼児向け教育・生活支援サービス<こどもちゃれんじ>のブランドキャラクター「しまじろう」は、様々な協力や連携を得て被災地の複数エリアで幼稚園や保育園を慰問しています。しまじろうと一緒に過ごす体験の中で、物資などの支援とはまた違う「大切な思いや体験を子どもたちに届けたい」と、この活動に携わる担当者にその経緯や思いを聞きました。
不安な状態で毎日を送る子どもたちに、今できることを
能登半島地震が起こった後は、刻一刻と状況が変わり、さまざまな情報が錯綜していました。そんな中、これまでの東日本大震災後もしまじろうが被災地を巡るという活動を実施していた<こどもちゃれんじ>チームでは、早い段階から情報収集やヒアリングを始めていきました。
状況を探るうちに、少しずつ現地の様子を把握する企業や、自治体ともつながることができ、災害支援のために現地入りをしている社員、北陸地域にある支社とも連携しながらのプロジェクトが進行していきました。その後は、タイミングを見計らいながら実施を探る日々が続きます。現地では、幼稚園や保育園でも稼働する場所が減り、複数園が合同で保育をするなど、ギリギリの状態の中で運営がされていました。そのような中でも、「子どもたちが楽しみにしている」と、先生方からの協力もあって、ついに実施が決定。被災エリアの6つの自治体にある園をまわりながら、しまじろうが子どもたちと交流をする活動へとつながりました。
震災の爪痕が残る中で園へ。迎えてくれた子どもたちの歓声
2024年2月29日、最初に訪れたのが能登半島のほぼ中央に位置する石川県志賀町でした。当日は早朝から現地入りし、ひび割れた道路や崩れている家屋を目の当たりにするなど震災の影響が生々しく残る中、一つ目の訪問先である高浜保育園へと向かいました。
子ども達が集まる部屋にしまじろうが入ると、「しまじろうだ!」歓声が一気にあがり、元気な声が響きます。その後は、子どもたち一人ひとりとハグをしたり、園児や先生も一緒になり約120人でTV番組「しまじろうのわお!」で人気の楽曲「せかいはパラダイス」のリズムに合わせて歌ったり踊ったりと、みんなで楽しむひと時を過ごしました。
「しまじろうが一緒に遊んでくれてうれしかった」「みんなでジャンプしたり踊ったのが楽しかった」など子どもたちから感想の声があがったほか、楽しむ子どもたちを見ながら涙をされていた先生の姿もありました。
子どもたちが前を向いて未来に進むために。一過性ではない支援を続けたい
このプロジェクトに、現地での実施や運営に関わった深井 一慶(ベネッセコーポレーション CS・オプション事業部)に当日の様子や感じたことを聞きました。
「今回の訪問にあたって、園の先生方は本当に大変な状況でも、『しまじろうと一緒に歌いたいので、どんな曲が流れるかを教えてほしい』など子どもたちのための準備を重ねてくださっていました。一方で、子どもたちの反応など不安もありました。でも、行ってみるとしまじろうが到着するずっと前から会場に来ているお子さんもいて、『ああ、こんなに待っていてくれたんだ』と胸が熱くなりました。いまだ日常が戻ってはいない中では、思いきり体を動かして遊ぶことも難しいと聞きますが、みんなで歌って踊った後には『子どもたちがこんなに笑顔になるなんて、想像できなかった』とその様子を見てくださっていた自治体や園の先生たちも話してくださいました。しまじろうとハグするお子さんたちの笑顔がすべてを物語っていたと思います。」
また、現地と連携しながら企画を推進した池田 佳鈴(ベネッセコーポレーション こどもちゃれんじ戦略室)は実現までの道のりや今後への思いを次のように話しました。
「混乱もあり、現地からの情報はピンポイントにしか入ってこない中、“わからないなりにやってみよう、行ってみよう”ということで計画を進める日々が続きました。そうして進むうちに、徐々に協力してくれる人が見つかり、そのつながりの先に道が開けていきました。今回、しまじろうと慰問に参加したお姉さんやプロデューサーの方も、以前の東日本震災の時からプロジェクトメンバーとして一緒に動いたチーム。今回も自分たちの使命だ、とすぐに手をあげて協力をしてくださいました。他にも県内の支援団体はじめ多くの方の連携を得て実現したのがこの企画です。しまじろうは、いろんな方に支えられているんだな。改めてそう感じました。」
「東日本大震災の時には同じ仮設の商店街に5年あまりの期間、毎年そこでの祭りのたびに訪問し、『みんな元気?』と声をかける活動を継続してきました。こうした災害の影響は瞬間的なものではなく子どもたちの中に長く残り続ける可能性もあります。今回は複数のエリアの園での慰問が実現しましたが、現地に行って終わり、ではなくこれからもさまざまな形での支援を続けていきたいと思います。」
困難な状況にある子どもたちが少しずつ未来に向けて歩みを進めるために。<こどもちゃれんじ>やベネッセグループではさまざまな支援の施策をポータルサイトなどで発信しています。今後も、被災地の状況に合わせた支援を継続的に行っていきます。
関連リンク
- 令和6年能登半島地震 ベネッセ震災支援 ポータルサイト
- https://www.benesse.co.jp/support2024/
- こどもちゃれんじ
- https://shimajiro.benesse.ne.jp/