CASE STUDY

徹底したデータ分析と改善による、親子で楽しめる学びのアプリ。デジタルとリアルを活用し、一人ひとりに合わせた学びをサポート

ベネッセでは、タブレットやオンラインによる学習教材の提供のほか、教育や知育に関するデジタルコンテンツやスマートフォンアプリも数多く公開している。ターゲットは未就学児から高校・大学受験生まで幅広く、それぞれの年代や教科に応じてノウハウをもとに細かな工夫を重ね、効果の高いコンテンツの提供を目指している。その現場の様子を、「しまじろうクラブアプリ」のコンテンツ制作に携わる石川大輔に聞いた。
  • インタビューは2022年に実施

石川 大輔

Kids&Familyカンパニー こどもちゃれんじ事業開発部 アプリ開発・運用課

ゲーム制作に約7年、家庭用ロボットアプリ開発に約7年従事し、一貫してB2C向けのコンテンツ企画開発を担当。2021年にベネッセに移り、未就学児用の通信教育講座「こどもちゃれんじ」の幼児向けサービス・コンテンツ制作、主にアプリの企画・運営を担当している。育児の楽しさを感じてもらえるアプリ用コンテンツ企画のほか、講座担当が考えたアイデアを具現化するための設計サポートなどにも従事。また運用面に関して、お客様からの要望や利用状況を踏まえてのアップデートなど、日々の業務も並行して担当しサービス全体の改善に努めている。

ISSUE(課題)

小さなお子様の操作を予測し、それぞれのお客様に適切なコンテンツを配信する難しさ

保護者のかたやお子様のスマートフォンスキルといった前提条件だけでなく、小さなお子様が実際にどういう操作をするか分からないといったことは課題の一つです。

また、一見するとそれほど難しい技術を使っていないアプリに見えるかもしれませんが、対象にしているお客様のパターンは膨大で、それぞれのお客様に対して適切なコンテンツをミスなく運用しなければいけません。

SOLUTION(ソリューション)

ユーザーデータ分析とユーザーテストを繰り返しアップデート

課題解決や改善のために大事にしているのは、量的なユーザーデータ分析とユーザーテストを繰り返し、それらの扱いのバランスを取ることです。

デジタルサービスでは、どこが良くてどこに問題があるのかが必ず利用データに現れるので、まずは量的なユーザーデータから大きな改善点と優先度を決め、アップデートすることを繰り返しています。

一方で、特に小さいお子様向けのサービスには、大人の感覚やデータだけでは洗い出せない課題や気付きが多く隠れています。改善内容のプロトタイプができた段階で、仮説があっているのか実際のターゲットに近いお子様に触っていただき、問題があればさらに改善を加える。そうしたサイクルを大事にしています。

小さなお子様でも問題なく利用でき、これまで大きな不具合や障害がなく安定して運営できていることは、目立つ部分ではないですがチームの仕事として自信を持てる部分だと思います。

RESULT(結果)

アップデートの継続で利用者・継続率ともに拡大

「こどもちゃれんじ」では、関連サービスとしてターゲットである親子を対象とした「しまじろうクラブ」Webを展開し、親子で一緒に楽しめるゲームや動画、子育てを楽しむための情報を公開しています。さらに 2021年3月には「しまじろうクラブアプリ」もリリースしています。

しまじろうクラブアプリは、まだまだスタートして間もないサービスですが、こどもちゃれんじ会員のかたをはじめ、すでに多くのお客さまからご利用いただいています。2021年度は、前述のような丁寧な運用・アップデートの継続により、利用者・継続率ともに拡大を続けることができました。

さらに2022年度は、これまでの利用データから見えるお客さまのUI上の課題改善のほか、新規コンテンツの多数追加といった大幅なアップデートを行っています。月ごとのテーマのトップ画面の改善のほか、ご両親向け記事コンテンツや新しいアクティビティ、新ゲーム追加などで、保護者のかたとお子様で見て使ってさらに楽しいアプリになっていると思いますので、まだ体験されていないかたは、ぜひダウンロードして使っていただけると嬉しいです!

PERSPECTIVE

PERSPECTIVE

PERSPECTIVE

PERSPECTIVE

今後チャレンジしたいことを教えてください。

デジタルとリアルとうまく連動させ、親子で一緒にあそび・まなびができるようなサービスやコンテンツを作っていきたいと考えています。デジタルが教育で貢献できることはたくさんあり、制作者としてもとても面白さを感じる分野です。

一方で、現在の技術やコストではデジタルだけでは実現が難しい、リアルのフィードバックや実体験といったお子様の教育にとって重要な要素もまだまだたくさんあります。デジタルが得意なこと、リアルならではの特性をそれぞれ活かし、うまく融合させながら、新しいあそび・まなびの体験を生み出していくことが、今後の仕事における私のチャレンジです。

企業理念「よく生きる」が、実際の仕事に作用していることはありますか?

ベネッセで仕事をしていて一番感じるのは、事業性に加えて、「教育としてベネッセがやるべき本質的な価値のあるサービスか?」という部分について、会社がとても真面目に考えて取り組み、それがメンバーにも浸透している、ということです。

そのことが、提供サービスがメンバー一人ひとりにとって「自分ごと」になり、細かい表現や体験まで注意深く検討を重ね、結果として多くのかたにご利用いただけるサービス提供につながっていると感じています。

そのような「よく生きる」の企業理念に基づいたサービス思考や仕事の進め方は、時間や手間がかかることもありますが、企画者としてもたくさんの刺激や気付きがあり、この仕事に携わる大きなモチベーションの1つになっています。

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