Benesse 「よく生きる」

教室運営のDX

「進研ゼミ」を使った教材学習と、「専門コーチ」による対面指導の組み合わせで、成果につながる個別指導を実現

DXコンサルティング部 ビジネスプロセス課
グループリーダー

広本 修一郎

Shuichiro Hiromoto

DXコンサルティング部
ビジネスプロセス課
グループリーダー

広本 修一郎

Shuichiro Hiromoto

コロナ禍の影響による緊急事態宣言への対応やオンライン授業環境の整備など教室事業をとりまく環境は大きな転換点を迎えている。ベネッセが構造改革を進める教室事業の一つである「進研ゼミ 個別指導教室」のDX推進について、PMOとしてプロジェクトを率いる広本修一郎に聞いた。

Mission

データ分析力を武器に、現在3テーマのBPRを推進

これまでのキャリアについて聞かせください。

私のキャリアは、「商品開発」からスタートしました。高校生商品開発部で、進路情報誌や高校生向け数学教材の開発を担当し、リーダーとして商品開発や進路イベントを手掛ける一方、講座の戦略立案やマーケティングにも携わりました。

2000年代に入りプリント・オン・デマンド(POD)技術が進化し、教材の作り方が一括印刷・製本形式から個別プリント製版にシフトしました。これにより、一人ひとりに完全にフィットする教材作成が技術的に可能となりました。「キミだけの個別教材」が、当時の高校講座のキャッチコピーでした。この流れの中で会員や学校情報を抱える受講システム基盤を大きくリニューアルするため、商品開発部門からシステム基盤部門に異動し、システム基盤リニューアルの推進リーダーとして個別講座を立ち上げました。

その後、全社の販売システムをリニューアルするプロジェクト推進のためIT戦略部に異動し、さまざまなシステム開発でPM・PLを務めています。

現在、業務で取り組まれているテーマについて教えてください。

DX技術を活用したBPRに従事し、データ分析力という幅広いスキルを武器に現在は以下3テーマのBPRを推進しています。

テーマ①「進研ゼミ 個別指導教室事業」
・目的:教室長の育成/事務作業の標準化&RPA
・役割:プロジェクトの全体PMO 兼 RPAツール設計

テーマ②「ベネッセのコールセンターシステムに音声認識技術による応対品質向上」
・目的:コールセンターの品質向上/スタッフの早期育成/コスト競争力の向上
・役割:プロジェクトの全体PMO

テーマ③「学校カンパニーでの営業担当のBPR」
・目的:営業の効率化UP / 営業担当の早期育成
・役割:技術開発リーダー

いずれのプロジェクトも、業務改善だけでなく広範囲のビジネスプロセスを整理して多くの関係者を巻き込みながら進めるための幅広い知識と強靭な推進力が求められます。また、日々進化するDX技術に素早く対応するためのインプットも欠かせません。目指すレベルが高く、発見も多い業務にやりがいを感じています。

Solution

withコロナで大きな転換点を迎えた教室事業の構造改革DX

「進研ゼミ 個別指導教室事業」で構造改革に着手した背景について教えてください。

前述した私の取り組んでいるBPR事業「進研ゼミ 個別指導教室事業の構造改革」には、二つの背景がありました。

一つは、withコロナ時代の中、教室事業をとりまく環境は大きな転換点を迎えていること。緊急事態宣言への対応やオンライン授業環境の整備など、日々変化していく環境に追随をしていく必要があり、各教室とも目まぐるしく変わる環境への対応に追われています。

もう一つは、この事業は、若手の教室長が多く、前述のコロナ禍対応も重なり各教室の運営力に差が出ていました。そこで、ベテランの教室長のスキルをナレッジ化し、若手教室長に負担なくスキルを伝承するシステムの開発に着手しました。

課題解決の方法として、どんなアプローチを取りましたか?

上記の課題に対して昨年度は17のBPR改善テーマに取り組みました。その一つに「生徒とコーチの自動マッチング」があります。お子さまから見て、コーチとの相性は学習のモチベーションに大きく影響します。進研ゼミ個別指導教室は1人の先生が数人の生徒を見るスタイルですが、毎日通ってくるお子さまをどのコーチが指導するかは満足度を決める重要なファクターです。

そこで、コーチの指導スタイルや性格、対象生徒の指導実績数などのいろいろな要素から、評判の良い教室長のマッチングの視点をシステムに実装して、いくつかの教室に導入しました。

マッチングシステムの評価と今後の展開について聞かせてください。

ベテラン講師にこのマッチングシステムを試してもらったところ、一瞬でマッチングが完了するにも関わらず、出力結果は教室長による手作業のマッチング結果と比較して90%以上一致していたという評価を得ることができました。現在もこのシステムはベテランのこだわりを細かくチューニングしながら日々進化を続けています。

このようにBPRはその取り組みの大小にかかわらず、改善に新しい改善アイディアを載せることで効果を創出していきますが、開発のスピード感を出すために内製が中心になっており、そのサイクルは非常に高速です。

さらに現在は「教室長の指導力DX化」として、生徒の成績伸長の良い教室長からお客さまへの向き合い方をナレッジ化して、新任教室長の育成に展開する取り組みも進めています。

Foresight

効率化はもちろんお客さまと向き合う時間を創出する、それがベネッセのDX

今後の仕事におけるチャレンジを教えてください。

近い将来はこれまで積み重ねてきたDX×BPRスキルを活かして、全く新しい講座を実現したいと考えています。ベネッセでは現在、AI英会話・自動採点など最新技術を活用した複数のプロジェクトが動いており、これらの部門との情報交換もできるので、新しいアイディアを形にするには非常によい環境だと思います。

今回のDX事例のおけるベネッセらしさとは?

ベネッセの主な領域である教育・介護業界は、どれだけ徹底的に一人のお客さまと深く付き合えるかが商品力・お客さま満足に直結しますが、一方で適正な価格でご提供するためには無限にコストをかけるわけにはいきません。

今回の取り組みは、DX技術により効率化できる部分は効率化を図り、一方でお客さまと向き合う時間を創出することでサービス品質の向上にもつながっている点が、ベネッセらしいDXの取り組みであると思います。

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