グループ全体のインフラを刷新。柔軟・迅速・安全性を高め、DX化を推進
松本 崇
Digital Innovation Partners インフラソリューション部 副部長
「進研ゼミ」を中心とした基幹システムのアプリケーション開発に15年、その後、インフラ基盤やクラウド環境構築などを経験。2021年から、学校教育現場や自治体の課題解決を行う学校カンパニーで、システム開発組織の立ち上げとプロジェクト推進を担当し、現在はインフラの対応計画戦略立案と構築プロジェクトのを推進中。
キャリアの中で、販売管理システムのリニューアルプロジェクト推進、ガバナンス策定と仕組みの構築・実行、クラウドデータセンター構築とシステム移行、ディザスタリカバリサイト構築、データセンター戦略作成と事業別区画クラウド環境構築などを手がけてきた。
ISSUE(課題)
インフラ共通基盤の安定稼働と業務のDX推進
目標は、グループ全体の事業を支えるインフラ共通基盤の安定稼働と、今後、業務のDXが推進できるよう利便性や生産性を向上させることです。
SOLUTION(ソリューション)
クラウド、ネットワーク、ベースライン、すべてを見直し
課題解決のリストとして、現段階では次のような項目を挙げています。
インフラを進化させる施策
- クラウドネイティブによる開発の高度化
- ネットワークトポロジー最適化
- 既存施設、設備の見直し
最新テクノロジーの取り込み
- 事業別クラウド環境活用促進やInfrastructure as Codeなどを活用したインフラ構築の高度化
- 監視の高度化
- EOLの計画的対応
インフラ基盤のベースライン再構築
- グループ会社のインフラ構築案件推進
- インフラ運用の安定化とコスト最適化
- 人員配置の最適化とそれによる負荷軽減
- 拠点ネットワークの高速化(EOL対応含む)
RESULT(結果)
リモートワーク環境の構築とそれを支える拠点ネットワークの高速化を実現
コロナ禍という特殊事情もあり、リモートワーク環境の構築とそれを支える拠点ネットワークの高速化にいち早く着手しています。リモートワークで自宅からのアクセス増加、またTeamsやZoomなどのコミュニケーションツールの利用増大などでネットワークの負荷が高まりました。それは社内業務だけでなく、お客様対応でも大きく増えており、さらに映像などリッチなアプリケーション利用も増えています。こうした拠点ネットワークへの高負荷に耐えられるよう、VPNなどのリソースや帯域の見直しなどにより、拠点ネットワークの高速化を進めました。
また、クラウドデータセンター構築とそこへのシステム移行をかねてより進めており、これによりクラウド上での開発環境を進化させています。アプリケーション開発と運用の垣根がない効率的な開発環境が整いつつあります。
ネットワーク全体の既存VPN機器でスタンバイとなっていた機器を、アクティブに変えるなどしてリソースを増加させました。さらに、社会全体の大規模イベントとピーク予測と対策実施をはじめ、ネットワーク全体の日々のモニタリングによる課題抽出と対策やチューニングを繰り返して安定的な状況を生み出し、それを継続しています。
また拠点ネットワークは、LANとWANの高速化を狙った機器入れ替えと構成の見直しを行っています。LANはEOLの機会点もあったため併せて実施したほか、WANはSD-WAN化し、拠点からNOC間の複数通信を論理的に束ねることで通信帯域の確保と最適な利用割り振りを実現。また、Teamsなどインターネットを大容量に利用するアプリケーションの通信経路の最適化なども行っています。
PERSPECTIVE
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リーダー就任にあたっての抱負を聞かせてください。
事業環境の変化やグループ会社のDX推進のニーズが急速に高まる中で、それらを支えるインフラにも進化が求められており、自社データセンターのさらなる整備は欠かせません。またグループ各社や外部協力会社との共創を進めるためにクラウドや新テクロノジーによる基盤整備も必要となってくるでしょう。
また人財面から、ますます複雑・高度化するインフラの開発・運用を進めていくためのハイスキルなスタッフの育成や確保も必要です。そして何よりも、インフラ基盤整備の戦略やゴールをスタッフと共有し、全員でつねにモチベーション高く仕事を進められるような“文化”づくりも欠かせません。
そうした次世代インフラ構築に、これまで私が経験してきた開発やプロジェクト推進のノウハウを活かしてほしいというのが、会社からのオーダーだと思っています。
今回の刷新は、企業理念「よく生きる」の実現にどのようにつながっていますか?
リモートワーク環境構築のきっかけはコロナ禍でしたが、見方を変えれば、社員一人ひとりの働き方の選択肢を増やすことにつながったといえます。自宅から子育てや介護をしながらでも柔軟に、自分の時間で働くことが可能になったかたも多いのではないでしょうか。それが社員の「よく生きる」を支えるひとつになったとしたら嬉しいですね。
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