新しい教育課程で学ぶ高1生は、新科目『公共』や『家庭科』で、株や資産形成など「お金」に関することを学びます。
高1生だけでなく、高2・3生も日常的に使っている「お金」のことを、なぜ高校で学ぶことになったのか。
投資運用を行うミライ予測のプロ、スパークス社の藤村さんにお聞きする『教えて!ミライプロ なぜ今からお金を学ぶ?』第3回目のテーマは、「損をしないために知っておくべきお金の知識」。
「お金」は、増やすことよりも、守る・損をしないことが大事
連載1回目では「お金」を通じて社会や進路を考えるメリットを、連載2回目では計画性が持てるというメリットをお伝えしてきました。
今回は、学んだ「お金」の知識がキミ自身を守ったり、損をしないことに繋がったりするというお話をします。
日々の生活に欠かせない「お金」。やっぱり「お金」は少ないより、多いほうがいいですよね。
裕福な友達をうらやましいなと思ったり、派手なお金の使い方をするYouTuberの動画がバズったり、豪遊する有名人が注目されたり、誰でも「お金」に対して少なからず憧れを持っています。
もっと「お金」を増やしたいから、おこづかいを貯金するだけじゃなくてアルバイトもしたいな~!
なんかもっとこう簡単に、ラク~に「お金」を稼げる方法ってないのかなぁ?
「お金」はどうしても「増やすこと」を考えがちだけど、一番大切なのは「守ること」や「損をしないこと」なんだ!
ラクにお金を稼ぎたいっていうのは人間誰もが思うことだけど、そこにつけこんで悪さをする人もいます。
「お金」を貯めるための基本は次の2つで、そのために「お金」の知識が必要なんです。
①「お金」が出て行くのを防ぐこと
「お金」を貯めるための基本1つめは、出て行くのを防ぐこと。つまり、無駄な支出をしないということですね。
お金のことを気を付けるようになると、同じものを買うときや、同じ活動をするときの損得が見えてきます。
たとえば、銀行口座に貯金している「お金」を引き出すとき。昼か夜かという時間帯、銀行かコンビニATMかという場所によって、手数料が違いますよね。
ちょっと調べるだけで100円、200円とか無駄がなくなるチャンスがあるかもしれません。
アルバイトをしている人なら時給を意識すると思いますが、こういう細かい積み重ねが簡単に1時間分の時給と同額になっていくわけです。
気にせず手数料を支払ったり、細かな支出を放っておいたりすると、どんどん損をしていくって一大事ですよね!
ちょっと面倒でも、少し調べることで「損」を「得」に変えることができるんです。
②そもそも貯めたものをとられないようにすること
「お金」を貯めるための基本として、もうひとつ大事なことは、大きな損を防ぐことです。
振込詐欺とかをニュースで聞いたことがあるかもしれませんが、お金に絡んだ犯罪は身近で多く起こっています。
騙されないため、盗まれないため、どうしたらいいか、お金を守ることを考えるのが重要です。
実は、お金に絡んだ犯罪に遭うリスクが高いのが、今高校生のみなさんと言えるかもしれません。
2022年4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。今高校生のみなさんも、18歳になった日から、ひとりで様々な契約ができます。
例えば、自分の名前でスマートフォンを契約しようとしても高校生のみなさんは、保護者の同意が必要になりますよね?
これが18歳からは必要なくなります。自分の知識・判断・責任で契約を行わなければなりません。
犯罪者がそこに目をつけ、まだ知識と経験が浅い18歳や19歳の若者をターゲットにするのは、容易に想像できますよね。
だからこそ、「お金」の知識で自分を守ることが大切になってくるんです。
最初に「ラクにお金を稼ぎたい」っていうのは人間誰もが思うことというお話をしました。
でも、「お金」のことを知れば知るほど、「世の中そんなウマい話はない」ということがわかってきます。
「絶対に損はしない」なんていうことはないし、リターンを得るには、損をするリスクもあるということを学んでほしいと思います。
「お金」を学ぶことは、儲けるだけじゃなく、自分を守ることにも繋がる!
「お金」と聞くと、ついつい増やすことや儲けることばかり考えがちですが、本当に大切なのは損をしないこと、「お金」を守ることだというのがわかりましたね。
大学生になったら、みなさんはもう立派な大人として扱われます。だからこそ、高校生のうちから「お金」に関する知識を身につけておくことが必要なんです。
さて、ここまでの連載で「お金」を学ぶ必要性がわかったと思うので、次回からはいよいよ「お金」を増やすために知っておきたい仕組みを学んでいきましょう。
また、藤村さんも出演したセミナーの録画が公開されているので、コチラもぜひご覧ください!
\セミナー録画公開中/
<この記事を書いた人>
進研ゼミ高校講座 ライター/クロロ
※この記事は、公開日時点の情報に基づいて制作しております。