知っておきたい!お金のルール後編
新しい教育課程で学ぶ高1生は、新科目『公共』や『家庭科』で、株や資産形成など「お金」に関することを学びます。
高1生だけでなく、高2・3生も日常的に使っている「お金」のことを、なぜ高校で学ぶことになったのか。
投資運用を行うミライ予測のプロ、スパークス社の藤村さんにお聞きする『教えて!ミライプロ なぜ今からお金を学ぶ?』第5回目のテーマは、「知るとトクする!お金のルール」後編。
「お金」の基本的な仕組みを学んでおこう!
連載1~3回目では、「お金」について学ぶ理由・メリットを身近なことから説明してきました。高校生のうちから知っておくことで、その知識がこの先のキミを必ず助けてくれます。
そして、4・5回目ではいよいよお金を増やすために知っておきたい「お金のルール」を勉強していきましょう!
お金の基本的な法則として、お金を借りたら利息を払う、お金を預けたら利息がもらえるということがあります。
加えて、お金を債券や株式に一旦変えておくことで、お金が増える可能性があります。
お金を増やすため、損をしないため、知っている人と知らない人で将来の人生に差が出るかもしれない、お金の基本的な仕組みを学んでもらいたいと思います。
お金のルール③ リスクとリターン
前回、連載4回目でお話しした平均利率では、株式が一番高いように見えました。
※スパークス社・藤村さんによるイメージ図
※上記図表の数字は例であり、現在の平均利率を表すものではありません
でも、ここで損する可能性(リスク)を考えないといけません。
「リスクとリターンの関係」についてのわかりやすい例えが、宝くじです。宝くじはお金を使って、お金が返ってくるものです。
この宝くじ、当たる可能性が低い(確率が低い)ですが、当たると何万倍にもなります。損する可能性は高い(ハイリスク)ですが、当たったらすごい儲け(ハイリターン)です。
金融資産は、損する確率に比例して、儲け(収益:リターン)が変わる、という大原則があります。この関係を理解することは、とても大事です。
このリスクとリターンの関係は、お金だけではありません。
大変な仕事だとつらいですが、給料は高いし、やりがいが大きい。一方で、基本的に人を選ばない、誰でもできる仕事であれば、給料は安いですよね。これも似た関係と言えます。
高校生のみなさんなら、定期テストの前日に何を勉強すべきか迷うと思います。浅く広く勉強して平均点を目指すか、赤点覚悟で出題されそうなところを山を張って勉強して100点を狙うか、という戦略も考えられますよね。
楽な道を選ぶと報酬も達成感も小さい、難しいことは失敗するリスクもあるけど達成感や報酬は大きいです。
そういったリスクとリターンを考えるバランス感覚を、これから意識して磨いていくようにしましょう!
こうしたバランス感覚は、お金を増やすときの判断基準になるだけでなく、お金に絡む犯罪から身を守ることにも繋がりますよ。
お金のルール④ 複利効果
若い皆さんにとって、とくに大事なルールが複利効果です。
例えば2%の利率で10年預けると、普通は20%の利息が付くと考えると思います。
でも、利息分にも利率が付くことを考えると21.9%となり、1.9%余分につきます。
たいしたことないと思うかもしれませんが、20年だと48.6%で、8.6%も余分につきます。100万円預けていたら48.6万円増えていると思うとちょっとうれしいです。
これがもし5%で30年だったら、とか考えると、この複利の効果はとても大事です。
みなさんも「雪だるま式に借金が増える」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、貸している側から見れば「雪だるま式にお金が増える」になるわけです。
先ほど、リスクとリターンの話をしましたが、短期的に大きく稼ぐのではなく、長期的に安全に稼ぐ視点も大切だなって思えますよね。
複利効果は、長く運用してこそ成果が出ます。キミが20歳のとき、50歳や60歳になった時のことを考えてお金を貯めておくと、この複利効果でお金が増えるということを知っておいていただきたいのです。
知っていくとどんどん楽しくなる!将来につながるお金の知識
ここまで全5回に分けてお届けしてきた『教えて!ミライプロ なぜ今からお金を学ぶ?』も、今回で一区切りとなります。
「お金」について学ぶ理由やメリットから、実際に役立つお金を増やすための知識まで、藤村さんに丁寧に解説していただきました。
そんな藤村さんも出演したセミナーの録画が公開されています!
\セミナー録画公開中/
<この記事を書いた人>
進研ゼミ高校講座 ライター/クロロ
※この記事は、公開日時点の情報に基づいて制作しております。