最終審査結果
最終審査に進出した全10組の録画公開中
ナゾ解明部門
『グランプリ・オーディエンス賞』受賞作品
- タイトル
- 「塵取りの凹凸構造による回収量の促進」
兵庫県立 長田高等学校
梅田ちはるさん・小林葵さん・
永田玲子さん・渡邊佑香さん

審査員田村 学
審査員の講評
塵取りの構造に目を向け、凹凸な形がごみの回収に効果的ではないかと探究活動を繰り返しました。予想を立て、様々なタイプの塵取りを製作し、実験を繰り返しながら収集データを数学的に分析する姿は、まさに探究する姿でした。仲間と協働的に取り組むとともに、身近な現象を科学的に捉えることは、どのような課題を解決する際にも欠かすことのできない能力となるはずです。
困りごと解決部門
『グランプリ』受賞作品
- タイトル
- 「高齢者医療に可逆性をつくる~フレイル状態改善を支援する対話型システムの制作~」
東京都 千代田区立九段中等教育学校
齋藤珠璃さん

審査員黒上 晴夫
審査員の講評
探究の契機はご自身の祖母のリハビリでした。高齢者医療において,フレイル状態から健康な状態に戻る可逆性についての探究です。そして,その鍵となるのが個別性・双方向性・日常性であると考え,これを実現するためにLINEを用いてリマインダーやアドバイスを送信し,対象者からもメッセージを得るシステムをつくり,実際に使ってみました。結果は,ニーズを完璧に満たせなかったり,飽きてきたりするような課題はあるものの,わずかではあるが改善が見られています。そして,実際に運用されている既存のサービスも参考にして,改善ポイントも整理しています。内容が医療にも関わる高度なもので,かつ社会的な課題でもあり,しかも個別性が要求されるなどの課題もある中で,よく調べて自分なりにシステム開発を行い,試行をもとに深い考察につなげるすばらしい探究でした。
ナゾ解明部門
『準グランプリ』受賞作品
- タイトル
- 「正直者が馬鹿を見るのか」
神奈川県 桐蔭学園中等教育学校
篠凛之介さん

審査員坪井 俊輔
審査員の講評
正直者が馬鹿を見るのか。という探究のお題を聞き、哲学的な表現で胸に刺さり、とても興味を持ちました。
篠さんの原体験から生まれた問いであるということで、そこから生まれた探究に脱帽です。導かれた結果が正直者が得よりも損をするという結果でしたが、それでも正直者で生きたいという篠さんの意志と、正直者が損をしない社会を創りたいと思わされる素敵な発表でした。
困りごと解決部門
『準グランプリ』受賞作品
- タイトル
- 「防災用品としてのダンボール履物の作り方の開発」
兵庫県立 長田高等学校
大橋昊太朗さん・奥田桃子さん・柏木凰雅さん・
材井愛梨さん・次橋樹香さん

審査員篠原 果歩
審査員の講評
神戸の震災から30年をきっかけに、当時を知るご家族や先生、区役所の方などからお話しを聞きながら発想を得られ、被災地でも使いやすく安全なものにするといった当事者に寄り添う素晴らしい探究でした。実験・分析を積み重ね、今後への改善点・工夫点をチームで導かれていく皆さんの姿に、私たちの社会をより良くしていってくれるだろうと可能性を感じました。
困りごと解決部門
『入賞・オーディエンス賞』受賞作品
- タイトル
- 「最強の消しゴムカバーは?」
徳島県立 城東高等学校
中平萌さん・西窪菜々子さん・
埜村裕人さん・浜田悠叶さん

審査員久保 博子
審査員の講評
誰でも使う消しゴムに目をつけて、不満に感じることに課題を見つけて、本気で取り組んでいました。実証実験では科学的に実験するために実験機器を制作し、正しく比較できる手法を考えて実験を行ったことに本気度が見えました。実験結果を分析しビジュアルにプレゼンした点、さらに課題を提示した点も素晴らしかったです。身近な課題に科学的に課題解決を目指すことで、イノベーションが生まれます。
ナゾ解明部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「ついつい買いたくなるお土産は? in やまのべ」
山形県立 山形南高等学校
川口芯作さん・門脇昊蓮さん

審査員田村 学
審査員の講評
ふるさと山野辺町の活性化に向けて、地域にあるジャンボスイートポテトを活用し、観光の目玉にしようとする挑戦は、これからの地域の持続性や永続性につながる重要な取組です。選考事例から学び、地域の特性を生かして考え続ける姿が、お土産選定の確からしさを感じさせてくれました。何より、探究し続ける二人が、ふるさとを愛していることが視聴者に伝わる発表でした。
ナゾ解明部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「心を動かす建築物とは」
埼玉県 西武学園文理高等学校
金谷優美さん

審査員坪井 俊輔
審査員の講評
金谷さんが建築に興味を持ち、そこから生まれた「心を動かす建築物」を探す探究の旅。
表現の手法としてご自身で創作された建築物アイデアのお話、とても素晴らしかったです。
背景にあるストーリーなど心を動かすのは複雑で難解ですが、今後、金谷さんが創る建築物を楽しみにしています。
ナゾ解明部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「日本における医療格差について-発生原因と私達にできる解決方法-」
神奈川県 湘南白百合学園高等学校
吉田紗彩さん

審査員藥師 実芳
審査員の講評
日本の医療格差という重要な課題を自分ごととして捉え、データ分析やアンケート調査、医療機関でのボランティア経験など多様な手法を用いて、一人ひとりができることを示している点が素晴らしいです。この探究が、今後も社会課題を自分ごととして捉え、主体的に行動するきっかけとなること、そしてそれがよりよい社会の実現につながることを願っています。
困りごと解決部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「新・籠原!~籠原をより魅力的に~」
埼玉県立 熊谷西高等学校
鈴木美穂さん・竹内優衣奈さん・
新井菜月さん・嶋村萌花さん

審査員黒上 晴夫
審査員の講評
地域の活性化は,多くの町で重要な課題です。その解決策として,駅側に商業施設をつくることを考えました。それで終わるのではなく,コンピュータで立体モデルをつくり,子育て世代に役立つ施設をデザインします。さらには,交通アクセスのために大型立体駐車場をつくったり,LRTを敷いて町全体で商業施設のメリットを享受する構想です。そして,これらにかかる費用も見積もっています。とても綿密なコンパクトシティの提案になっていました。地域活性化をデザインする一方で,コストやその他の問題を総合的に検討するというのはとても大事なことだと思います。
困りごと解決部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「〈メディアによる観光客の増加〉発展途上国が観光業で栄えることは可能か」
千葉県 光英VERITAS高等学校
込江美咲さん

審査員篠原 果歩
審査員の講評
途上国ギニアにおける貧困問題への解決策としての観光業について調査されたこの探究は、世界中の事例を参考にアイディアを整理し、画像や動画を活用しながら具体的な提案を提示するたいへん納得度の高いものでした。今回のように「世界は思ったより近い」を体現し、グローバル市民として私たちが国際課題に取り組む重要性を伝える力強いアクションを今後も続けていってください。
審査員※2024年時点の情報です

審査員
黒上 晴夫
関西大学
総合情報学部 教授
情報を一覧し考えをつくり出すのを助ける、シンキングツールの普及に力をいれている。デジタル・シンキングツールを研究。学習指導要領改訂では、「探究」関連で深く関わった。探究ナビ、探究ナビBasic監修。

審査員
久保 博子
奈良女子大学
研究院工学系教授(副学長)
暑さ寒さと住環境、睡眠の質と生活環境、高齢者の生活などを、健康や快適の視点から研究している。

審査員
藥師 実芳
認定NPO法人ReBit代表理事 / 社会福祉士 / 精神保健福祉士
大学在学時にReBit設立。行政/学校/企業等でLGBTQやダイバーシティ研修実施、キャリア支援、国内最大級のダイバーシティ・キャリアフォーラム開催、LGBTQかつ精神・発達障害があるダブルマイノリティに向けた福祉事業所を運営。

審査員
田村 学
文部科学省
主任視学官
文部科学省教科調査官、視学官として学習指導要領改訂を推進した。今年度から文部科学省に復帰。新学習指導要領実施のカギとなる「主体的・対話的で深い学び」を実現する教育実践について教育現場に伝える活動を行う。

審査員
坪井 俊輔
サグリ株式会社
代表取締役CEO
1994年横浜生まれ。横浜国立大学理工学部を卒業。2018年衛星データとAIで農業と環境課題解決を目指す岐阜大学発ベンチャーサグリを創業。第6回宇宙開発利用大賞において内閣総理大臣賞を受賞。

審査員
篠原 果歩
スポーツ国際開発専門家
立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程
スポーツを通じた社会課題解決を軸に、現在、英国系国際NGOの職員として女の子支援に取り組む「プレー・アカデミー with 大坂なおみ」に国内で従事。パラリンピック教育の国際展開にも携わった経験を持つ。
コンテスト応募概要
応募対象
「探究ナビ」「探究ナビBasic」「キャリアナビ」ご採用校の生徒が対象です。
2023年度もしくは2024年度に教材をご利用いただいている中高生がエントリー可能です。
エントリー期間は10/1(火)~11/20(水)です。9月下旬にご対象校宛てにご案内FAXをお送りいたします。

審査の基準
総合的な探究の時間などで取り組んだ探究の成果をもとに、「問題を発見する力」「調査する力」「分析する力」「主張をつくる力」「課題を新たに設定する力」の5つの観点から総合的に評価します。
応募部門
応募部門は「ナゾ解明部門」「困りごと解決部門」の2部門です。
自分の興味・関心や疑問に感じたことを追求しようと探究したキミに参加してほしい!

テーマの例
・スポーツの試合の勝敗に応援は関係あるのか
・やる気が出る言葉はなにか
・注ぎ方によってお茶の美味しさが変わるのはなぜか
・よい写真とはどのようなものか
「だれか」や「自分」の困っていることをアイデアで解決しようと探究したキミに参加してほしい!

テーマの例
・子育てが不安な親同士が育児について気軽に話せる場所をつくるには
・スマホ依存を止めるためにはどうしたらよいか
・どうすれば外国人が働きやすい環境がつくれるか
・障がいのある人への差別・偏見をなくす方法
応募の流れ
先生がお申し込みURLより1次審査提出予定の生徒数をご連絡
生徒各自が探究の概要をWebフォーム(文章)で提出
結果発表 12月19日(木)
ご担当先生より、生徒の探究成果物(スライド等)をネット経由で提出
結果発表 2025年1月29日(水)
オンラインイベントでの発表および審査員からの質疑応答
- ※応募スケジュールや提出方法は変更になる可能性があります。詳しくは、学校エントリー後に先生にお届けするご案内資料をご確認ください。
ご参加校の声

学校の指導スケジュールのなかでコンテストに参加。外部評価が生徒の自信につながる
本校では、生徒の探究的な資質・能力の育成と、生徒一人ひとりが持つ「なぜ」や「どうして」といった疑問から社会課題への関心を高めることを目指し、「総合的な探究の時間」に取り組んでいます。資質・能力を重視し、生徒の多様なテーマに対応できる『探究ナビ』『探究ナビBasic』は、「総合的な探究の時間」だけでなく、各教科の探究活動でも参考にしやすい教材であると感じています。また9月に校内で中間発表をおこない、そのリフレクションを踏まえて探究コンテストに参加する生徒を校内選抜し、12月の一次審査に応募させています。
本校では、大人が大切だと思うことを子どもたちに押し付けないように探究を進められることを心がけています。
生徒の興味・関心にもとづいた自由なテーマで進めた探究で応募できる「全国探究コンテスト」は、目標としても魅力的に感じています。毎年数名の生徒が一次審査を通過しており、自分の探究が評価される成功体験は、生徒たちの自信に繋がっています。
将来的には、さらに多くの生徒が最終審査に挑戦し、探究を深めることを期待しています。

「全国探究コンテスト」を利用し、省力化しながら外部評価を取り入れる
本校では『探究ナビBasic』を活用しながら、総合的な探究の時間を実施しています。
5年(高2)の12月に校内で行っている「探究学習発表会」が発表のメインの場で、その内容をそのまま「全国探究コンテスト」へ応募させています。さらに、6年(高3)で探究論文を作成し、活動を終えます。
校内の「探究学習発表会」の時に外部の審査員に評価を依頼しようという声もありましたが、どうしても教員の負担が増えてしまいます。コンテストに応募することで、外部からの視点・評価の機会が得られますし、「探究学習発表会」に向けて動画の成果物は作成しているので、コンテストに向けた支援もそれほど行う必要がありません。
「探究学習発表会」は生徒の相互評価で表彰します。その上位者と「全国探究コンテスト」の1次審査通過者はほとんど同じでした。生徒たちも校内で選ばれた友達が、外部コンテストでも評価されていることを嬉しく感じたのではないでしょうか。
「全国探究コンテスト2023」最終審査イベント
昨年度の最終審査での発表や質疑応答の様子が動画でわかります。
コンテスト応募に役立つサイト
全国探究コンテストにエントリーした約2,000件の中高生の探究活動の成果を一挙公開中。「課題の設定」の授業でご活用いただけます。