最終審査結果
最終審査に進出した全10組の録画公開中
ナゾ解明部門
『グランプリ・オーディエンス賞』受賞作品
- タイトル
- 「塩析時に加える有機酸によるカゼインプラスチックの曲げ強度変化」
兵庫県立 長田高等学校
中西基さん・髙岸晄大さん・野田楓さん・吉積詞葉さん
審査員黒上 晴夫
審査員の講評
中学生のときの自由研究のテーマだったカゼイン(牛乳に含まれるタンパク質の一種)を塩析する実験を起点に,カゼインをプラスチック化することを目指した興味深い研究です。酸の種類によって,プラスチックの強度がどうちがうのかを,緻密な実験によって明らかにしました。実験計画の設計から結果のまとめ,そしてさらなる研究への具体的な取組をすでに行っている点も含めて,とてもすばらしい探究活動です。
困りごと解決部門
『グランプリ』受賞作品
- タイトル
- 「快適をデザインで~自動販売機の返却口を再考する~」
神奈川県 桐蔭学園高等学校
藤村風香さん
審査員田村 学
審査員の講評
日常の中にあるちょっとした不便さや不都合な状況を見逃さず、自らの力でよりよくしていこうとする探究の姿が見られました。自動販売機のお釣りの受け取り口の改善に向けて、試作品を作って、試して、作り直す姿は、粘り強く挑戦し続ける姿でもありました。解決したい課題に対して、情報を収集してアイディアを創出し、プロトタイプを制作しながら、自らの行為や学びを振り返り見直していく過程は、デザイン思考と重なる学びです。これからも身の回りのデザインに着目し、改善する中で、社会を豊かにしていくことを期待しています。
ナゾ解明部門
『準グランプリ』受賞作品
- タイトル
- 「私たちの衣生活は甲虫の力で楽になるか」
神奈川県立 横浜翠嵐高等学校
磯部和虎さん
審査員大島 まり
審査員の講評
「服を畳むのがめんどくさい」小さいことかもしれないですが、このような日常の困りごとを解決するために、バイオミテックスの技術を応用するといった、大変ユニークな試みでした。甲虫の一種であるハネカクシの後翅構造を分析し、効率的なたたみ方を数学と物理を基礎に考え出し、実験の試行錯誤を通して、課題解決に向けて追究した点は素晴らしかったです。応用範囲の拡大など、さらなる発展につながることを期待しています。
困りごと解決部門
『準グランプリ』受賞作品
- タイトル
- 「災害が起きたときに聴覚障がい者と情報伝達の壁を無くす方法」
熊本県立 八代清流高等学校
村本ゆみさん
審査員竹下 友里絵
審査員の講評
災害が多い国だからこそ、とても大切な課題だと思います。実際にプロトタイプを作り、当事者や災害ボランティアの方々へのヒアリングを通して改善していかれたのが素晴らしかったです。近い将来、災害現場の当たり前になってほしいと思いました。
困りごと解決部門
『入賞・オーディエンス賞』受賞作品
- タイトル
- 「日本で男性の助産師が誕生する可能性はあるのか?」
群馬県 高崎健康福祉大学高崎高等学校
堀愛莉さん
審査員藥師 実芳
審査員の講評
自身の将来の夢である「助産師」という分野の現状に対し、「なぜ?」と真正面から向き合った姿勢が素晴らしいです。本探究の優れた点は、以前は女性の仕事とされていた看護師業界の「男性看護師」の先駆者の方々にヒアリングを行い、構造が類似する他分野から学ぼうとした点にあります。実体験に基づいた多角的な視点を取り入れたことで、考察に深い説得力が生まれていました。これからも現場で働く中で、対話し、考え、行動し続ける探究心が、将来の業界をより良くしていく原動力になることを心から期待しています。
ナゾ解明部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「アパレルショップの入店したくなる明るさとは? 〜照明と入店意欲の関係性〜」
岡山県立 岡山南高等学校
小﨑色華さん
審査員黒上 晴夫
審査員の講評
普段何気なく商店街やデパートを歩いていても、それぞれの店が照明にどのような配慮をしているかには気付かないものです。この探究は、どのような照明だと店に入りやすいと感じるかについて、3種類の条件を設定して比較しました。さらに、スポットライトなどが服の色の見え方にどのような変化を与えるかについての追究しました。これらを組み合わせることで、アパレルショップなどのデザインを最適化することができるかも知れません。今後は、回答者の年齢などによって、どのようにちがう印象をもつのかなど、さらに深めていっても面白いと思います。
ナゾ解明部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「人の自称詞の変化には第二次反抗期が関係しているのか〜自立精神と発達のプロセス〜」
茨城県 つくば秀英高等学校
古屋珠花さん
審査員坪井 俊輔
審査員の講評
「なぜ自分の名前呼びが直らないのか」という個人的な悩みから出発し、それを発達心理学や自立という学術的テーマへと昇華させた探究姿勢は非常に優れていました。また、第二次反抗期という抽象概念を「保護者との会話時間」という具体的指標で検証し、仮説が支持されなかった結果も誠実に示した点も高く評価できるポイントでした。自称詞の変化を未熟さではなく家族関係や自立の在り方として再考察した結論も秀逸で、今後のさらなる検証や古屋さんご自身の成長が楽しみです。
ナゾ解明部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「ブラックジョークの道徳的正当化とユーモア理論からサティリカルコメディを分析する」
東京都 千代田区立九段中等教育学校
東山怜穏さん
審査員大島 まり
審査員の講評
ダークユーモアに着目し、学校などの場所でダークユーモの持つ影響力や、集団のなかでの変化を分析した研究であり、シンガポールの大学生との英語での議論を通して、調査を行いました。社会・文化・歴史などが絡む複雑な課題に果敢に挑戦し、体系化が難しかったと思います。文献調査を通して論点の整理をし、調査内容をより具体的にすることで、より充実化した研究になるでしょう。引き続き、がんばってください。
困りごと解決部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「香りで悩みゼロ!? 日常に効く“においの処方箋”」
埼玉県立 熊谷西高等学校
小林由唯さん・近藤真叶さん・篠﨑みおんさん・山下愛心さん
審査員田村 学
審査員の講評
「香り」は人の印象を決定づける重要な要素であることをアンケート調査やインタビュー調査、文献調査や実験などによって明らかにしていきました。そのことが脳の働きと関係があるとともに、「香り」が好ましくない状況を生んでいる「香害」に着目して、「香り」について探究し続けました。4人で探究する中で、メンバーそれぞれの特徴を生かすことができること、力を合わせることで思いもかけない可能性が広がることなど協働することの価値を実感する取組でもありました。この学びを商品開発などと結びつけることを期待したいと思います。
困りごと解決部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「高齢者のスマートフォン普及による情報格差の解消−紙媒体による理解と実践の支援−」
埼玉県 筑波大学附属坂戸高等学校
新屋愛子さん・大口怜優さん・吉野実希さん
審査員竹下 友里絵
審査員の講評
実際に皆さんで作られた紙のパンフレットの利用アンケート結果がとても好評で、困り事を解決する兆しが見えたのではないかと思います。広げていくとしたときのコストや配布先をどう集めるかなどまだ課題はあるかもしれませんが、それも含めてこれからも探究を楽しんでいただけると嬉しいなと思います。素敵な発表をありがとうございました。
審査員※2025年時点の情報です

審査員
黒上 晴夫
関西大学
総合情報学部 教授
情報を一覧し考えをつくり出すのを助ける、シンキングツールの普及に力をいれている。デジタル・シンキングツールを研究。学習指導要領改訂では、「探究」関連で深く関わった。探究ナビ、探究ナビBasic監修。

審査員
大島 まり
東京大学
大学院情報学環/
生産技術研究所 教授
専門はバイオ・マイクロ流体工学。血流シミュレーションやSTEAM教育に従事。東京大学 次世代育成オフィス室長、東京カレッジ副カレッジ長。

審査員
藥師 実芳
認定NPO法人ReBit代表理事 / 社会福祉士 / 精神保健福祉士
大学在学時にReBit設立。行政/学校/企業等でLGBTQやダイバーシティ研修実施、キャリア支援、国内最大級のダイバーシティ・キャリアフォーラム開催、LGBTQかつ精神・発達障害があるダブルマイノリティに向けた福祉事業所を運営。

審査員
田村 学
文部科学省
主任視学官
文部科学省教科調査官、視学官として学習指導要領改訂を推進した。2024年度から文部科学省に復帰。新学習指導要領実施のカギとなる「主体的・対話的で深い学び」を実現する教育実践について教育現場に伝える活動を行う。

審査員
坪井 俊輔
サグリ株式会社
代表取締役CEO
1994年横浜生まれ。横浜国立大学理工学部を卒業。2018年衛星データとAIで農業と環境課題解決を目指す岐阜大学発ベンチャーサグリを創業。第6回宇宙開発利用大賞において内閣総理大臣賞を受賞。

審査員
竹下 友里絵
株式会社ボーダレス・ジャパン
公民連携室 室長
大学卒業後、規格外野菜のフーロドス問題を解決するためタベモノガタリ株式会社を創業。
その後、ボーダレス・ジャパンにてクラウドファンディング型ふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税forGood」や公民連携室の立ち上げを行う。
コンテスト応募概要
応募対象
「探究ナビ」「探究ナビBasic」「キャリアナビ」を当該年度(2025年度)ご採用校の生徒が対象です。
(「探究ナビ」「探究ナビBasic」は2年間活用教材のため2024年度ご採用校も対象とさせていただきます)
エントリー期間は10/1(水)~11/20(木)です。9月下旬にご対象校宛てにご案内FAXをお送りいたします。
審査の基準
総合的な探究の時間などで取り組んだ探究の成果をもとに、「問題を発見する力」「調査する力」「分析する力」「主張をつくる力」「課題を新たに設定する力」の5つの観点から総合的に評価します。
応募部門
応募部門は「ナゾ解明部門」「困りごと解決部門」の2部門です。
自分の興味・関心や疑問に感じたことを追求しようと探究したキミに参加してほしい!
テーマの例
・スポーツの試合の勝敗に応援は関係あるのか
・やる気が出る言葉はなにか
・注ぎ方によってお茶の美味しさが変わるのはなぜか
・よい写真とはどのようなものか
「だれか」や「自分」の困っていることをアイデアで解決しようと探究したキミに参加してほしい!
テーマの例
・子育てが不安な親同士が育児について気軽に話せる場所をつくるには
・スマホ依存を止めるためにはどうしたらよいか
・どうすれば外国人が働きやすい環境がつくれるか
・障がいのある人への差別・偏見をなくす方法
応募の流れ
・1次審査提出予定の組数
・学校名
などをご提出
形式:
エントリー案内にあるお申込みURL
※案内は9月下旬にFAXで送信予定
提出者:
先生
・設定した課題、その理由
・情報収集の方法
・課題に対する答え
など、探究活動の概要をご提出
形式:
WEBフォームで、50~300字程度の文章でご提出
※WEBフォームはエントリーされた学校に順次ご連絡予定
提出者:
生徒
結果発表 12月18日(木)
最終発表で使用する探究活動の成果物(スライド等)
をご提出
形式:
探究の成果物データを指定フォルダに格納していただく
提出者:
先生
結果発表 2026年1月28日(水)
オンラインイベントでの発表および審査員からの質疑応答
- ※応募スケジュールや提出方法は変更になる可能性があります。詳しくは、学校エントリー後に先生にお届けするご案内資料をご確認ください。
ご参加校の声
学校の指導スケジュールのなかでコンテストに参加。外部評価が生徒の自信につながる
本校では、生徒の探究的な資質・能力の育成と、生徒一人ひとりが持つ「なぜ」や「どうして」といった疑問から社会課題への関心を高めることを目指し、「総合的な探究の時間」に取り組んでいます。資質・能力を重視し、生徒の多様なテーマに対応できる『探究ナビ』『探究ナビBasic』は、「総合的な探究の時間」だけでなく、各教科の探究活動でも参考にしやすい教材であると感じています。また9月に校内で中間発表をおこない、そのリフレクションを踏まえて探究コンテストに参加する生徒を校内選抜し、12月の一次審査に応募させています。
本校では、大人が大切だと思うことを子どもたちに押し付けないように探究を進められることを心がけています。
生徒の興味・関心にもとづいた自由なテーマで進めた探究で応募できる「全国探究コンテスト」は、目標としても魅力的に感じています。毎年数名の生徒が一次審査を通過しており、自分の探究が評価される成功体験は、生徒たちの自信に繋がっています。
将来的には、さらに多くの生徒が最終審査に挑戦し、探究を深めることを期待しています。
「全国探究コンテスト」を利用し、省力化しながら外部評価を取り入れる
本校では『探究ナビBasic』を活用しながら、総合的な探究の時間を実施しています。
5年(高2)の12月に校内で行っている「探究学習発表会」が発表のメインの場で、その内容をそのまま「全国探究コンテスト」へ応募させています。さらに、6年(高3)で探究論文を作成し、活動を終えます。
校内の「探究学習発表会」の時に外部の審査員に評価を依頼しようという声もありましたが、どうしても教員の負担が増えてしまいます。コンテストに応募することで、外部からの視点・評価の機会が得られますし、「探究学習発表会」に向けて動画の成果物は作成しているので、コンテストに向けた支援もそれほど行う必要がありません。
「探究学習発表会」は生徒の相互評価で表彰します。その上位者と「全国探究コンテスト」の1次審査通過者はほとんど同じでした。生徒たちも校内で選ばれた友達が、外部コンテストでも評価されていることを嬉しく感じたのではないでしょうか。
コンテスト応募に役立つサイト
全国探究コンテストにエントリーした約2,000件の中高生の探究活動の成果を一挙公開中。「課題の設定」の授業でご活用いただけます。