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私はうさぎを飼育していて、大好きなうさぎを探究したいと思った。そのため、有名なイソップ物語『うさぎとかめ』に着目した。なぜ、走るのが遅いイメージのあるかめがうさぎより先にゴールできたのか。この疑問は、物語的には面白いが現実的ではないと思った。そのため、『うさぎとかめ』がどのような条件なら再現できるのかを探り、より現実に近づけたいと思った。そのようにすることで、うさぎ・かめのモチーフとしての役割を見出し、作者の意図である道徳的な側面を現実に近づけることになると思った。そして、油断大敵・最後までコツコツ働いたものが勝つという教訓により、生産性を上げ、経済成長の促進に貢献できるのではないかと考えた。
あの有名な『うさぎとかめ』の永遠の疑問を現実に再現しようと試みた。かめが勝つはずがないという常識が、調べていくうちに崩れていくところが面白い。その意外なリアリティを楽しんでもらいたい。
うさぎは、ネザーランドドワーフとホーランドロップ、かめは、種類の見分け方の資料からニホンイシガメと推定した。カメとリクガメの速さを求めるため、私が飼育しているうさぎについては自宅で走っている動画を撮影し、距離をメジャーで測定した。その他のうさぎ・かめは動画サイトから走っている動画を探し、距離は目視やそばにある物を目印に予測した。リクガメはギネス記録を用いた。それぞれ距離を時間で割り、分速を求めた。同じ種類では平均をとり、『うさぎとかめ』の設定や世界観に合ううさぎ・かめの種類を選出した。また動画から、うさぎ・かめが走った時間と止まるなどして休んだ時間の割合を求め、より現実に近づけようとした。
うさぎ・かめの種類別の分速は、速い順にネザーランドドワーフ、リクガメ、ホーランドロップ、ニホンイシガメで、分速はそれぞれ23.9m、16.8m、9.18m、0.967mだった。『うさぎとかめ』の設定「うさぎが速く、かめが遅い」に合うのはネザーランドドワーフとニホンイシガメだった。ネザーランドドワーフは11%走り89%休み、ホーランドロップは31%走り69%休み、ニホンイシガメは56%走り44%休んだ。うさぎは走り続けず適度に休んでいた。ネザーランドドワーフはホーランドロップよりも休み、体が小さく素早いため、すぐ疲れるのではないかと思った。かめはうさぎより走った時間が長く、よく動いていた。
現実でイソップ物語の『うさぎとかめ』が成立するためには、うさぎではネザーランドドワーフが分速23.9m、かめではニホンイシガメが分速0.967mで走ればよいことが分かった。また、競走する距離を400mと仮定すると、うさぎは約90%休みながら走ると、2時間40分でゴールし、かめは約40%休みながら走ると、11時間30分でゴールすると分かった。そして、かめが勝つには、うさぎが8時間50分より長い時間、昼寝をすればいいと分かった。