テーマ 社会問題(SDGs),理数
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太陽からは莫大なエネルギーが届いていることを知り、どうにかしてこれをもっと利用したいと思っていたからです。太陽光発電はあるけれど、太陽光を熱源として利用するものはないのではないか、そう思い、熱が関わる様々な現象を調べました。そしてあるとき過飽和という現象があることを知り、それを応用すれば、熱エネルギーを過飽和のエネルギーに変えて貯蔵し、好きな時にまた熱を発生させることができるのではないかと思いつきました。この方法で太陽光を吸収してたくわえることができれば、暖房・給湯によるCO₂排出を抑えることができるのではないかと思い、この研究を始めました。
太陽からの熱を逃がさず長期間にわたって保存できる方法を考案し、研究しています。太陽からの光を吸収して保存し、好きな時に熱を発生させることができる方法です。暖房や給湯には大量のガスや電力、薪などが使われており、大量の二酸化炭素を排出する要因となっていますが、この方法を実用化できればその問題を解決することができるかもしれません!
酢酸ナトリウム三水和物の固体では、一度加熱して液体にするとその後冷ましても固体に戻りません。この状態を過飽和といいます。その液体に酢酸ナトリウムの小さな固体を入れると、そこから固体化が始まり熱が発生します。このプロセスの加熱に太陽光を使い、熱を利用したいときに固体化による発熱を利用します。しかしこの方法では過飽和を起こすために50℃以上に加熱する必要があり、太陽光で到達するには難しい温度でした。そこで、酢酸ナトリウムと水の混合比率で必要な温度が変わるのではないかと仮説を立て、実験をおこないました。ビーカーと温度計の動画を撮り、時間経過と温度変化のグラフを水の比率ごとに作成し、考察しました。
過飽和に必要な温度は、水が多いと低く、水が少ないと高くなりました。水が少なすぎると、そもそも過飽和が起きないことがわかりました。しかし、逆に発熱温度は、水が多いと低くなってしまい、水が少ないと高くなることがわかりました。
水の比率を高くすることで太陽光によって過飽和を起こすことができることがわかりました。しかし、発熱温度が低くなってしまい利用しにくいので、「水の比率を高めて低い温度で過飽和を起こした後、水分を自然蒸発させて水の比率を下げることで、高い温度で発熱させることができないか」など、改善策を試行していく必要があります。