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自分自身写真が好きで自分でもより良いものが撮りたいと感じていること、またここ数年インスタがブームで投稿写真が無数にあることから、人が良いと感じる写真はどのようなものか知りたいと考え、この課題を設定した。また良い写真がどのようなものかを提示することでSNSに投稿する際のひとつの指針として欲しい。
魅力的な写真にはどのような特徴があるのか、という正解のない課題を設定して探究を進めた。調査ではSNSでアンケートを実施してコメントを収集するとともに、AIを利用した審査結果を用いた。あわせて海外有識者からコメントしてもらうなど多角的に検証することで客観性を保つことに留意した。
まずAIが明るさ、コントラスト、輝度、シャープネスの観点から採点するサイトへ自分の撮った写真を複数枚投稿し、採点してもらった。次に、採点してもらった写真と同じものをインスタグラムのストーリーにてどの写真が気に入ったか、またその理由を自由記述でアンケートをとった。そして、AIによる採点結果とインスタグラムでのアンケート結果の各写真の獲得票数に基づいてグラフを作成した。最後に海外の写真サイトで講評してもらった。
アンケートの獲得票数とAIの採点点数の軸からなるグラフを作成すると右肩上がりの分布になった。インスタグラムでの自由記述のアンケートで回答された割合としては、きれい・おしゃれ29%、雰囲気がいい21%、懐かしい・既視感がある19%、色合いがいい15%、構図がいい10%、その他6%だった。獲得票数が高く、採点点数も高かった写真を投稿した海外の写真評価サイトからは「桜の木はヨーロッパで通常見つけるのが難しいのでよい」「素敵な色でいい構図」「不要なものが写っている」「地平線の傾きはクリエイティブなテクニックだが、安定感とバランスにかけている」という賛否両論が見られた。
いい写真のポイントは対象物の色合い・構図が対象物に適していること、また加えて懐かしさや既視感が感じられる写真が多くの人に好まれる、ということがわかった。また、『きれい・雰囲気』など見た人の好みに左右されるものの他に『懐かしさ』という人の好みには左右されない価値判断があることがわかった。