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探究レポート No.1948

準グランプリ

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タイトル
ミウラ折りシートの作成条件とジッパー折り紙チューブの剛性について
設定課題
私たちの課題はジッパー折り紙チューブの剛性を最も高めるミウラ折りシートの頂点角を調べることです。

課題を設定した理由

ジッパー折り紙チューブはミウラ折りシートを組み合わせてできています。先行研究ではこのミウラ折りシートの頂点角が55度に設定されていましたが、角度を変えることで、剛性にどのような変化が表れるのかは未だ解明されていません。ジッパー折り紙チューブは軽い素材にも関わらず高い強度も持ち、建築分野での応用が期待されているため、私たちはこの研究を始めました

アピールポイント

私達の探求のキーワードは「折り紙」です。
日本の伝統文化として知られている折り紙は、その折り畳めるという特徴から、航空宇宙科学やファッションで応用されています。
私達は折り紙について調べていく中で東京大学の舘教授によって考案された折り紙構造物「ジッパー折り紙チューブ」に魅了されました。
ジッパー折り紙チューブの最大の特徴は折り畳めることに加え意図しない変形に対しては非常に強い剛性を持つということです。ジッパー折り紙チューブは建築の分野で応用が期待されており、私達がこの構造物についての探究を行うことで、ジッパー折り紙チューブの応用可能性を広げることができます。

研究方法

今回の実験では157g/m^2のケント紙、チューブ同士を繋げるためにセロハンテープとテープ糊を使用します。
頂点角を50°から60°まで2°ずつ変えたジッパー折り紙チューブを作成します。先行研究では一辺が7cmですが、使用する装置に合わせるため3cmに変えました。
作成したジッパー折り紙チューブを1つずつ圧力試験機(フォーステスター)に設置します。フォーステスターで圧力をかけ、荷重を測定した後、その値をExcel でグラフ化し、圧力が最大値になり値が減少傾向になったら測定を終了します。
測定した値からその最大値を比較し、強度が最も大きくなった角度を見つけます。

結果

フォーステスターに圧力をかけられたモデルは潰されるように変形していき、フォーステスターのかける圧力も変化していきました。ジッパー折り紙チューブに加えられる荷重は徐々に増加し、頂点に達した後減少していきました。この頂点の値はジッパー折り紙チューブの耐久性の最大値であり、これは52°のモデルの時に最も高い値を取りました。また、52°を境にしてほかの角度での値は減少していきました。

課題に対する答え

荷重の最大値を耐久性だとすると、結果から52°のモデルが最も耐久性に優れているといえます。モデルの地面への接地の仕方や高さと幅の比のバランスによって耐久性が変化すると考えているため、それらの条件が52°の時に最も満たされており、その条件から遠ざかるほど耐久性が低くなると考えます。