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■実践講座ダイジェスト

産学連携(企業&大学)の実践講座の報告をご紹介致します。


1人1人の行動が世の中に変化をもたらしている。

<5月9日(金)>

法政大学にて資生堂の渡部卓明さんが企業プレゼンターとして登壇されました。

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渡部さんのプロとしての60分間のプレゼンは、「話し方」「見せ方」「伝え方」「引き込ませ方」等、全ての面で学生には新鮮で圧倒される内容でした。何よりも、渡部さんのマーケティングの切り口は、机上で学ぶマーケティングの手法や用語を遥かに超え、説得力と現場感覚に裏付けられており、難しい用語であっても、学生には納得感がありました。

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講義の最終では、消費者である学生に、「今までは消費者でしか無かったはず。その君たちの1人1人の行動が世の中に変化をもたらしマーケティングの分析手法は凄い勢いで変化している。この課題を通じて、自分達が企業人の目線で1人1人の行動に注目してて欲しい。」とのエールで社会人の立場で課題に向かう気構えができたように感じました。

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<この講座に参加した企業人の声>

資生堂の渡部です。

市場経済やマーケティング戦略というと何か実態のつかみづらいシュミレーションゲームのような感覚にもなりますが、ビジネスの世界では行きかう人々の行動の中に存在する「意識の核心」をつかみ取ることが何よりも大切です。私はみなさんが全身の感覚を研ぎ澄まし事象を観察すること、その奥深くに潜む核心を考え抜く情熱を求めたいと思います。
そしてまずは行動すること! 期待しています。

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<この講座を受講した学生の声>

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 法政大学は、今年度初めてのFSP講座参加です。学生がどの様な変化を見せるのかとても楽しみです。

 


主語を替えて考えてみるんだ。(中間プレゼン)

<5月23日(木)>

法政大学にて渡部卓明さんが中間プレゼンを聞く上司としてご参加されました。

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「君達は、会社だったら出てけと言われても仕方がないような絶対してはいけないミスをした。それが何かよく考えろっ!!」1チーム目のプレゼン後から厳しい檄が飛びました。以降のプレゼンにも、次から次へと厳しい指摘が続き、教室は、企業コンペ本番さながらの緊張感に包まれました。

「自社の商品名を間違えるような社員が、取引先に信頼を得てパートナーシップを築けると思うのか?」と、最後の講評でそのミスを指摘。当事者意識が無いんじゃないか?と学生の認識を改めました。

また、「パートナーとの信頼を築き選ばれる企画を立てるためには主語を替えて考えてみたらどうだろうか?」という言葉が非常に印象的でした。「君達の企画はまだまだ独りよがりに聞こえる。I am~視点で考えるのではなく、We are~と主語を替えた時に企画の見え方がガラリと変わるはず」この言葉は、大学1年生がBtoBtoCビジネスを考える際に非常に重要な立ち位置を見事に説明しており、事務局としても大変勉強になる講義でした。最終プレゼンに向け、どうProjectを立て直してくるのか、本当に楽しみです。

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<この講座を受講した学生の様子>

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この講座では、FSP研究会で開発された産学協同で行われるPBL専用ノートを使って進行されています。このノートは書込み式になっており、Projectを進行する過程を記録できるようになっています。全講座が終わった時には、このノート1冊が過去の取り組みのポートフォリオになるように設計されています。またノートに入っているPlannining Sheetを活用すれば、学生自らがProjectをマネージメントできるようになっており、このSheetを使って学生は主体的に行動計画を立てています。

今回、この講座に参加している学生も、ノートにぎっしり書込みがなされており、白熱した議論の過程を見ることができます。また、何度も消しては書き直されたPlanning Sheetからは、初めてのProject活動に右往左往しながらも前に進もうとしている力強い姿勢を感じました。

 

 

 


チームの企画のテーマは?(最終プレゼン)

<6月6日(木)>

法政大学にて渡部卓明さんが最終プレゼンを聞く上司としてご参加されました。最終プレゼンの前に資生堂のキャリアデザインセンター長である小泉亮さんより、熱いエールが送られ学生プレゼンがスタートしました。

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中間プレゼンの際に、企業目線からの厳しい指摘が続いた結果、どのように学生が議論を立て直してくるのか?渡部さんもとても楽しみにしていました。イベントの仕掛けや、アメニティ的なおまけのアイディア、路面陳列の改善提案等、実際に店舗に足を運び、彼らなりのパートナーとの関係作りを語ってくれました。しかし、渡部さんから発せられる言葉は、「このチームの企画のテーマは?」「アイディアの羅列ではダメ」等、手段の考案に終始してしまったチームに厳しい指摘が寄せられました。

今回のプレゼンで1位になったチームに感想を聞くと、「僕たちのチームは、他のどのチームよりも授業外で集まって議論をした自信はあります。」と、この最終プレゼンにかけた想いを吐露してくれました。その発言を受け、渡部さんからは、「1位になったチームには、確固としたテーマ(コンセプト)があった。それさえ決まってしまえば、実は、その先の議論はあっと言う間に整理され、非常いクリアであったはず。聞いている方にも、何をやりたいのか?すんなりと伝わってきたよ」と、企画の幹の部分の大切さに言及がありました。

このFSP講座では、大学生ならではの突飛なアイディアや、思い付きレベルでのプレゼンは要求していません。物事を深く洞察し、課題(本質)を正しく捉え、解決策を設定する。そんな「課題解決の基本」を、チームで取り組ませることでのめり込み、主体性を発揮してチームに貢献する経験を与えたい。そんな仕掛けが随所に仕組まれた設計になっています。

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最後に全員で起立をし、資生堂の渡部さんに、全員で「ありがとうござました」と一礼。非常にさわやか且つ、礼儀正しい教室のムードに、「みんな、これからも頑張って!!」と教室を退室する際に、渡部さんからの熱いエールが送られました。

渡部さん、本当にありがとうござました!!