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RECRUITMENT

AI×アダプティブラーニング教材アプリ

進研ゼミ50年の知見とノウハウを活かした
「AI StLike(AI ストライク)」

スマートフォンやタブレットに慣れ親しむ子どもたちの新たなアダプティブラーニング教材「AIストライク」を紹介しよう。

2020年3月にリリースされた進研ゼミ高校講座会員向けアプリ「AI StLike(AI ストライク)」。テクノロジーの進化によって、AIを活用したアダプティブラーニングの教材が増えており、スマートフォンやタブレットに慣れ親しむ子どもたちの新たな学習コンテンツになりつつある。そうした中、進研ゼミ50年の歴史で培った知見とノウハウを活かし、AIを活用したアダプティブラーニング教材「AIストライク」をリリース。同アプリについて、校外学習カンパニー 指導開発セクター オンライン指導開発室 室長 永見良介に詳しく聞いた。

※所属・役割は2020年04月時点でのものです。

  • 校外学習カンパニー 指導開発セクター オンライン指導開発室 室長 永見良介
    (所属・役割は2020年04月時点でのものです)

社長直轄部門が手掛けた、
スマートフォンで学べる
アダプティブ
ラーニング教材「AI StLike」

AIの進化により、生徒たちが自分の習熟度に合わせて学べるアダプティブラーニングに関心が高まっている。これまでは成績が良い生徒も、そうでない生徒も、レベルだけざっくり分けて、あとは共通の問題に取り組む学習スタイルが一般的であったが、1人1台のITデバイスを持つデジタルネイティブたちは、テクノロジーで個別化された学習が可能になった。とはいえ、アダプティブラーニング自体はまだ過渡期の段階であり、学習成果にどれだけ効果的であるかは未知数である。

そうした中、進研ゼミは、AIを駆使したアダプティブラーニングのスマートフォン学習アプリ「AI StLike(以下、AIストライク)」をリリースした。高校講座の会員を対象に、数学から提供を開始。「プロ講師」のオンライン授業と「AI」によるアダプティブラーニングの問題演習で、自分の実力に合わせて苦手を攻略できるのが特徴だ。

AIストライクの開発を手掛けたのは、これからの理想的な学びを考える社長直轄部門「これまな開発室」だ。同開発室は校外学習全般の個別化をめざして、2019年に新設された組織で、子どもたちの最適な学びのカタチを追求する。永見は同開発室について「ベネッセは長年、通信教育や塾など事業ごとにお客様にサービスを提供してきました。一方で生徒からしてみると、自分でできるものもあれば、先生の力を借りたいものもあるなど、課題や困りごとには濃淡があります。『これまな開発室』は、そうしたお客様のニーズを、切れ目のないサービスとしてシームレスにつなぎ、校外学習自体の個別化をめざすもので、AIストライクもその一環となります」と経緯を語った。

※「これまな開発室」は、2020年4月1日より、校外学習カンパニー 指導開発セクター オンライン指導開発室に。

つまずきの原因に戻る補足解説と
AIによる問題演習で、家庭教師を再現

AI ストライクは、どのような学習ができるアプリなのか。コンセプトは、スマートフォンアプリの中で“ひとりひとり個別に指導する家庭教師を再現する”ことだと永見はいう。

同アプリは、「プロ講師」が教える授業動画と「AI」による問題演習、2つのコンテンツで構成されている。生徒はまず、プロ講師が教える動画を視聴し、問題を解くための考え方を理解。そのプロセスで分からない部分があれば、「補足解説」の動画に戻って理解の不足を補う、という具合だ。

たとえば、二次関数の最大・最小の問題が分からない場合。多くの生徒は、最大・最小そのものがわかっていないというよりも、そもそも平方完成などの前提となる知識や手順がわかっていないことにつまずきの原因があるという。こういう時、家庭教師であれば生徒の様子に即座に対応し、平方完成に戻って説明を行う。同様にAIストライクでも動画の視聴中に分からない部分あれば、つまずきの原因に関連する動画に戻って視聴できる仕組みだというのだ。

「学習の流れの中で分からない既習事項が出たときは、関連する動画に戻れるよう設計しました。分からないときは、家庭教師のような目の前の生徒に合わせた寄り添い方が理想だと考え、AIストライクではそれを再現しました」と永見は語る。ほかにも、プロ講師が教える授業動画には、「倍速モード」や「チャプター機能」を設けるなど、生徒が自分のペースで動画を視聴できるようにした。

プロ講師の動画を見終わると、「AI」による問題演習に取り組む流れだ。ここで生徒が間違えると、取り組みデータをもとに一人ひとりの実力に応じた「トレーニング問題」が出題される。生徒はトレーニング問題で解く力を鍛え、その後に「チェック問題」で自分の理解度を確認。このプロセスを通して、取り組むほどにデータが蓄積され、より自分の実力アップに効果のある問題が出題される仕組みになっている。出題パターンは1レッスンあたり約2000億通りもあるという。

さらにAIストライクでは、全問題に解説テキストだけでなく、解説動画を用意。1500問すべてに映像解説付きという手厚さだ。間違えた問題をどのように解けばいいのか、生徒が自分で解決できる工夫をしている。永見は「授業を教える講師、教材の問題選定・作問の専門家、動画編集のプロなど、それぞれの分野のスペシャリストを抱えるのがベネッセの強み。1500問すべての問題に解説動画をつけられたのもベネッセの組織能力があってこそだと考えています」と語った。

ベネッセならではの視点、
従来にない
「人起点」の
アダプティブラーニングとは

このように家庭教師の再現をめざしたAIストライクであるが、もっとも注目したいのは、「AI問題演習」が実現したアダプティブラーニングだ。永見も従来のものとは一線を画すと語る。その違いは何か。

従来型のアダプティブラーニングは、正答率や間違えた問題から、解説・類題を定義して、設定されたコンテンツに行ったり来たりするというシンプルな仕組みだ。これは「教材・問題起点」の発想となる。この場合、ある程度の課題は救えるが、理解不足もケアレスミスもやっつけ解答も一緒くたに扱われるため、正答率や間違いの背景にあるものまで迫ることができない。

これに対しAIストライクのアダプティブラーニングは、生徒がなぜ問題を間違ったのか、誤答傾向を「人」起点で分析するというのだ。同じ間違いでも、単なる計算間違いなのか、そもそも本質が理解できていないのか、間違いの原因に対して、生徒のつまずき傾向を分析し判断するほか、生徒全体の傾向との差分も分析して、ひとりひとりオーダーメイドで次に解くべき問題を提示する。

「アダプティブラーニングは、コンテンツでなく生徒をできる限り多角的な視点で見るかが重要です。生徒たちが間違える原因は何か。どこまで見ようとするかによってAIによる分析も変わります。ただし何でもかんでも吸い上げようとすると重厚長大なわりにメリットは小さく、生徒にとっても根ほり葉ほり問いただされるような負担の大きい学習になります。重要なのは選択と集中です。ベネッセには進研ゼミ50年のノウハウと知見があり、生徒がつまずくポイントや誤答傾向なども把握しています。AIストライクでは、ベネッセの強みを活かした人起点のアダプティブラーニングが実現できたと考えています」と永見は語る。

アジャイル型開発で
顧客との試行錯誤が可能になり、
新たな気づきが生まれる体制に

このような「生徒起点」のアダプティブラーニングを実現したベネッセであるが、永見の話によると、開発当初は従来型の「教材・問題起点」を進化させるアプローチでのアダプティブラーニングをめざしていたという。

「当初は、問題間のネットワークの精度を高めることで生徒によりフィットした問題が提供できると仮説を立てていました。ところが実際にお客様に試していただいたところ、ある生徒は、さかのぼり学習が効果的で、別のある生徒は同じ問題をもう一度解いたほうが、学習効果が高いというファクトが見えてきました。そもそも仮説の立脚点が違うのではないかと。それで、教材・問題起点とは別の仮説を立てるに至ったのです」と永見は開発当時を振り返った。

今後についても永見は「お客様に使っていただきながら、大胆な構想力とファクト、そしてお客様の声をもとに改善・改訂を繰り返し、よりインパクトのある商品開発に邁進したい」と話し、生徒の「個」に寄り添う学習コンテンツ、学習環境の提供をめざす方針を示した。デジタルトランスフォーメーション時代は、生徒の数だけ学びの数が存在すると話す永見。一人ひとりの生徒に、個別化された校外学習が届けられる未来を描き、これからも貢献し続ける。

取材:2020-03
掲載:2020-06