CASE STUDY

ベネッセ新領域、社会人向け英語コーチングサービスを展開する『スタディーハッカー』
顧客志向の広告戦略で前年比問い合わせ件数130%増加

「スタディーハッカー」がベネッセにグループインしたのは2020年4月。“STUDY SMART”を企業理念とし、学びの領域に先進的な科学の知見を用いて、より合理的な学び方を提案してきた。ベネッセグループの“新領域”にあたる社会人向けの事業で、英語コーチングサービスやオウンドメディアで効率的な学習のためのコンテンツ発信などを行ってきた。スタディーハッカーのデジタルマーケティング支援プロジェクトを担当する中森美奈子に話を聞いた。

中森 美奈子

Digital Innovation Partners デジタルマーケティング部 塾・教室課 兼 介護HR課

Web広告代理店で4年間、メディアのセールスに従事。運用型広告がメインでディレクションやプランニング、改善施策の実行を担う。
ベネッセに転職し、スタディーハッカーのプロジェクトに参画。主に広告による集客を担当しながら、サイトの改修や新規リリース、オウンドメディアと販促の接続強化など幅広く取り組む。また、兼務で介護領域のHRプロジェクトにジョインし、デジタルマーケティングを使ったWebでの集客を担当する。

ISSUE(課題)

デジタルマーケティングの変革。顧客志向の広告戦略と競争力向上

組織課題

スタディーハッカーがグループインした当初は組織内の体制整備に焦点を当てていました。デジタルマーケティングの知見を持つ人が少なかったため、経験豊富な人に業務が偏ってしまっていました。そのため経験の浅い人に業務が回らず、人材育成が進まないという課題がありました。

事業課題

デジタル広告とWeb集客の効率を向上させ、顧客のニーズに基づいた訴求を実現するための施策が必要だと考えました。また、競合他社の台頭に対抗するため、認知度を向上させる戦略的アプローチを図る必要がありました。

SOLUTION(ソリューション)

業務の最適化を図り組織体制改善。WebCMで認知度の向上

DIPのデジタルマーケティング部と大学社会人カンパニーのBPRが組み、スタディーハッカーへの支援を実施しました。2021年からプロジェクトが開始され、今年で3年目となります。

当初課題だった組織体制に関しては、DIPから改善案を提案し、体制を構築するために必要な実務にも介入しながら整備しました。デジタルマーケティングに知見があるスタディーハッカー内の人数に限りがある中で、個々の強みや持っているスキルを最大限生かせる体制を提案し、スムーズに移行ができるよう支援しています。具体的には、一人ひとりに業務内容や課題をヒアリングして、手が足りていない部分をDIPのメンバーで埋めつつ、業務量の最適化と体制づくりを進めました。

事業課題では、特に「訴求」の部分がネックになっていたので、集客の受け皿となるサイトの改善にリソースを割きました。サイト・広告ともにA/Bテストを行い、根拠を持った改善を進めています。英語コーチングサービスには「STRAIL」と「ENGLISH COMPANY」の2種類があるので、違いの分かりやすいサイトとなるよう改善しています。具体的には、受講生の声やサービスを利用した結果、どれだけ点数が上がったのかという実績の見せ方などを変えました。また、サイト側に紐づく形で広告も立て直し、UI/UXの観点からの改善にも取り組んでいます。

「認知度」を向上させるために、ウェブCMの制作と配信を行いました。それまでスタディーハッカーでは大型の認知施策がなかったので、競合に打ち勝つためにも力を入れて企画・実行しています。

RESULT(結果)

役割の明確化で人材育成促進。問い合わせ件数は前年比130%向上

業務体制・人材育成について

デジタルマーケティングに強い人材育成を可能にする体制をつくることができました。サイトと広告、それぞれに担当をつけて役割を明確にしたことで専門性が生まれます。DIPからベネッセ社内の知見やさまざまな領域の事例を共有し、担当者のスキルアップに貢献しました。

訴求と認知度の向上について

サービスへの問い合わせ件数が前年比130%まで伸びました。2023年度(1Q)も前年比110%という成果が出ており、顧客のニーズに合った訴求ができていると感じます。また、WebCM配信後に検索ボリュームが105%増加しました。広告による顧客獲得効率も改善できており、費用対効果も向上しました。

DIPが介入したことにより、サービスそのものの改善も図りました。英語コーチングの新しいコースを開設して、お客様にニーズがあるのかどうか、ニーズがあればどういったポイントが受け入れられやすいのか調査を行い、お客様のヒアリングに参加するなど開発も一緒に進めています。

また、DIPのデジタルマーケティング部は小学生向けから介護領域まで幅広い事業のデジタルマーケティングを担当しています。定期的に知見の共有を行っているので、他の事業で成功した事例をスタディーハッカーへ積極的に反映しました。

PERSPECTIVE

PERSPECTIVE

PERSPECTIVE

PERSPECTIVE

プロジェクトで一番大変だったことは何ですか。

ニーズを踏まえた訴求ができていないという課題に対して、お客様のニーズを捉えられるようになるまでにパワーが必要でした。

価格帯の高いサービスなので、高収入の30代後半から40代後半の方がターゲットです。ターゲット層の方々が何を求めているのか、どのような言葉を魅力的に感じるのか、受講生さまに繰り返しインタビューしました。「何に困っているのか」「どこに価値を感じているのか」をヒアリングすることで、的確にニーズを捉えられるようになったと思います。

今後チャレンジしたいことはありますか。

デジタルマーケティングの新しい成功事例をつくり、スタディーハッカー以外の事業に横展開して会社の成長に繋げたいと考えています。

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