ビジネスレベルの英語力へ!
社員の学びが変わるウオッシュバック効果とは?

人事担当者向け

「社員が英語の勉強を全然しない。」

人事の教育担当者から聞く“社員の英語教育の課題”を聞くと必ず出てくるフレーズです。しかもこれはここ15年間ほぼ変わりません。

このように社員の英語力を向上させる上で、その教育方法に苦戦されている担当者も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

ここでは、英語教育の課題の効果的な解決方法であるウオッシュバック効果に関してご紹介していきます。

社員の英語教育における5パターンの課題

社員が英語の学習をしないというお悩みに「それはなぜだと思いますか?」と問いを重ねていくと、いくつかのパターンが見えてきます。

パターン1:社員が忙しい

これは、社員アンケートでも、学習が継続できない理由として必ず記載される理由の1つです。

パターン2:英語学習の必要性を感じない

これは英語学習を全社員対象にしてしまっているグローバル化途上の企業に最も多いです。

この2つのパターンの原因の大半は、全社員向けに英語学習の必要性を語るが故に、社員の誰もが当事者意識を持てずにいる対象者軽視型の陥りやすい課題です。現業で全く英語を必要としていない部署もあるはずです。

また年次的に、この後の定年までの時間を逆算すると英語学習の必要性がない方々もいるはずです。

人事からのメッセージは、「自分に向けて発せられている」という当事者意識やアサインされた感がなければ、ただでさえ働き方改革で効率的な働き方を要求されている社員が英語学習という少し時間のかかる未来への投資を自ら買って出ることは決してありません。

パターン3:何から学習させたらいいのか分からない

この回答パターンの原因は、【目的】と【目標】をどこに置くのか、という説明が社員に届いていない企業によくあるパターンです。

どのような業務を遂行するために英語力を上げて欲しいのか、海外との協業なのか、海外への進出なのか、研究・見聞拡大なのか、その目的によって育成すべき技能・学ぶべきシチュエーション・目指すべきレベルは全く違います。

このパターンの場合は、学習を促進するはずの研修担当者が、明確な目的を持っていないケースに多くあります。

パターン4:学習のために投資をしてもなかなか効果がでない

パターン5:従来型のリスニング・リーディングテストを導入しているが海外の現地に派遣をしても思うようなパフォーマンスがなされない(あるいは現地からクレームがでる)

実は、この2つのパターンは、弊社への問い合わせの中で最も深刻度の高いお問い合わせです。

本来、期待している英語が活用されるビジネスシーンは、海外市場での外商、顧客やパートナー企業との関係性構築なのではないでしょうか?

それにも関わらず、社員に要求をしている測定ものさしが従来型のInput能力を測定するマークシート形式であるケースがこの課題の要因であることが多くあります。

このような企業で働く社員側にインタビューをしてみると返ってくる回答はほぼこの2つです。

  1. 英会話スクールに通ってリスニングとスピーキング重視のコミュニカティブな英語のトレーニングをしているのに、別途マークシートのテスト対策をしなくてはならず矛盾を抱えている
  2. テクニック対策でマークシート型のテストのスコアを獲得した同僚の方が高く評価されていて納得がいかない

ここでは、決してマークシート型のテストが悪いと言っているわけではありません。

単純に、社員に求める英語でのパフォーマンスがリスニング・リーディングスキルというInput能力ではなく、ビジネスライティング・ビジネススピーキングというOutput能力なのであれば、その学習の投資効果や、学習効果の測定もOutput能力を測定するものでなければ、このねじれ現象は解決されません。

実は、このねじれ現象を解消し、社員が理想的な学習行動に変わることが期待できるウオッシュバックエフェクト(ウオッシュバック効果)という言葉があります。

ウオッシュバック効果を図ることで上記に紹介したパターン1~5すべてのお悩みの解消が期待できます。

社員の英語教育に必須となるウオッシュバック効果とは

そもそも我々は、学生時代に英語を学んでいながらも、なぜ英語が話せるようにはならなかったのでしょうか。

それは、簡単に言えば、定期テストや入試などで「話せる」ことが問われてこなかったからです。

逆に言えば、話せるようになって欲しければ、アセスメントを変えれば学習者の学習行動が変わる。

つまり社員の評価や学習の効果測定指標を変えれば、当然社員が皆必死になって勉強のあり方を変えます。それがウオッシュバック効果といわれるものです。

これまでの学習行動にとどまることを要求するのであればアセスメント指標も変える必要は当然ありません。しかし、その結果、「英語を使って仕事ができる社員」が足りない、育たない、という悩みから解放されることは恐らくありません。

それほど学習者(=社員)は忙しい時間を割いてまで、現場で使えないマークシートを塗るテクニックを磨く時間はないと言うのが実態でしょう。

ウオッシュバック効果を図るための6つの手順

では、育成計画を策案する際に、ウオッシュバック効果を期待するためにどのような手順で考えて行けばよいのでしょうか?

  1. 読む・書く・話す・聞くそれぞれどのような状態、どのようなレベルを身に着けて欲しいのかを具体的なビジネスシーンに即して言語化する(CAN DOの明確化)
  2. 1.の状態を正しく・各技能共通のものさしで測定できるアセスメントを探す
  3. 2.のアセスメントを軸に社員に目指すべき状態目標を伝え、社員の今現在の状態と目指すべき状態までのGAPを明確にさせる
  4. 3.で浮き彫りになったGAPを埋めるのに必要なアプローチとリソースを考えさせ実行プロセスを策案させる
  5. 4.の実行プロセスに投資をする
  6. この投資の成果をアセスメントで測定し数的な効果検証を繰り返す

お気づきになりましたでしょうか?そうです。これはいわゆる企業活動で行われているPlan→Do→Check→Actionのプロセスを人材育成計画にも反映させたものです。

これまで何百人もの英語学習者のカウンセリングをしてきた経験から、仕事ができる人は、最短で英語習得の道を進むことが出来る、と自信を持って言えます。

効果的な英語教育を図る上ではPDCAが必須

このように、社員にビジネスレベルの英語力を身に着けてもらうためには正しい学習行動に変容を促すアセスメント選ぶことが必須となります。

同様に、人材育成にも事業部同様のPDCAを実践されている企業は、そもそもの「社員が英語の勉強をしない。」といった類の長年にわたる課題を組織として戦略的に解決していると言えるでしょう。