ビジネスで通用する英語力とはどのようなものでしょうか。ここではGTECを開発した際の開発現場から見えてきた「使えるビジネス英語力」から、ビジネス英語の学習方法を向上させるための目標設定について解説いたします。
目次
「使えるビジネス英語力」の6つの段階
弊社にお問い合わせをいただく際に「使える英語力」を身に着けたいといった相談が多くあります。実際に「仕事で英語が使える」には6つの段階があることが分かっています。
この表は、世界60か国、約500拠点にランゲージセンターを展開するベルリッツで語学を学ぶグローバルビジネスパーソンにGTEC(Global Test of English Communication)を受検してもらい、その人たちが実際の業務の中でどのような事が英語でできるのかを調査した結果です。
1000点満点のスコアの中で英語を使って仕事をするには、プロフェッショナルレベル~海外旅行レベルまで6つの段階があるようです。
まずは、各社員にどのレベルができるようになることを「英語で仕事ができる」と意味しているのかを明らかにする必要があります。
職種別の「使えるビジネス英語力」
上記6つの段階が決まったら、次は職種別に「使える英語力」を明らかにします。
よくある要望ですが、技術職で「使える英語力」を定義するのと、営業職で「使える英語力」を定義するのは、随分とレベルが違うようです。
下記の表をご覧ください。
一概に海外赴任レベルと言っても、技術・研究・開発職で赴任するのと、営業やマーケ職で赴任をするのでは、赴任先で使う英語の技能も全く違います。
技術や研究職の場合は、文献を参照したり、マニュアルを作成したりなど、リーディングスキルとライティングスキルが高く求められます。
一方で営業職やマーケ職の場合は、とにかく相手の話を聞く、交渉をするなど、リスニングスキルとスピーキングスキルが高く求められます。
実際のビジネスシーンに照らし合わせ、どのような行為ができるようになることが期待されているかを明らかにしてくれるのが、このCAN-DOリストになります。
職種別にビジネス英語学習の目標を設定する
職種別に目標設定をすることは、想像以上に社員の学習行動を変容させるきっかけになります。
あまり英語を話したり、プレゼンをしたりすることをイメージできない専門技術社員にスピーキングのレベルアップを期待しても学習意欲はわきません。
同様に英語を読むということに、ある程度時間がかかっても構わないと思っている社員にリーディングの読むスピードを上げる学習は期待できません。
どの技能を、どのレベルにまでして欲しいのかを社員に明らかにし、現場の実態に合っていればいるほど、社員は能動的に正しい学習行動をとりはじめます。
グローバル人材を育てたいのに、社員がマークシート対策をやっている、などの困りごとを聞く機会が多いのは、正しい期待値を社員に説明できていないとも言えるのではないでしょうか。
日本人のビジネス英語学習の課題
もう1つ、ベルリッツとの共同調査の中で分かったことがあります。
それは日本人の英語レベルの低さです。調査では日本人以外のノンネイティブは70%以上がGTEC650点を超えています。
つまり650点以上のプロフェッショナルを目指して学習をしていました。
一方で、日本のビジネスパーソンで650点を超えられたのは、わずか5%しかいませんでした。
これは我々にとっても非常に衝撃的な調査結果であり、日本のビジネスパーソンの課題が浮き彫りになった瞬間でした。
最短で「使えるビジネス英語力」を身に着けるためには最適な目標設定を
浮彫になった課題を解決するには、最短で「仕事で使える英語力」を手にいれる必要があります。
まずは、現場にフィットする適切な目標レベルを技能毎に設定することが最短で英語力を身に着けるスタートラインではないかと考えます。