全国探究コンテスト2023は終了しました。今年度も探究コンテスト2024を開催予定です。
探究コンテスト2024
ナゾ解明部門
『グランプリ』受賞作品
- タイトル
- 「洗剤って何か?改めて考えてみる~キッチン用洗剤で、洗濯をすることは出来るのか~」
神奈川県立 相模原中等教育学校 前期課程
髙橋 春帆さん
審査員田村 学
審査員の講評
洗剤の種類の多さが環境に及ぼす影響に着眼し、実際に製造会社に出かけるなどして探究を続けた。種類の多さが環境に大きな負荷をかけていることを、複数の環境保全の視点から捉え、改善の可能性を探究した。マルチ石鹸の開発は、未来社会を大きく変革していくことを期待させるアイディアである。持続可能な社会と自らの夢の実現に向けて、チャレンジし続けてほしい。
困りごと解決部門
『グランプリ』受賞作品
- タイトル
- 「はがれにくい絆創膏の追求」
神奈川県 桐蔭学園高等学校
諏訪 和香奈さん
審査員黒上 晴夫
審査員の講評
「絆創膏がはがれる」イライラをどうすれば解消できるか,形に着目して仮説を立て,更新しながら実験を重ねた探究です。はがれるまで擦る単純な作業を根気よく続けて,自分なりの結論を生み出したのが素晴らしいです。見過ごしがちな日常に目を向けて,斬新な視点を定めて実験をし,結果を分析する流れを堅実に踏むことで,このような探究が生まれるのだと思います。
ナゾ解明部門
『準グランプリ・オーディエンス賞』受賞作品
- タイトル
- 「折り紙ジッパーチューブの剛性最大化の条件」
兵庫県立 長田高等学校
阿部初音さん・飯田悠夏さん・
井上敬太さん・鳴澤昊さん・横山徹さん
審査員坪井 俊輔
審査員の講評
折り紙構造体における頂点角を変更し、剛力特性から新たな最適解を見出すことに加え、その構造体を提唱された先生へのヒアリングを通じて、その探究を深めていく意義の可能性があるという非常に説得力を持たせた素晴らしい発表内容でした。今後探究活動を深めることで、我が国の産業の発展に向けた新たな道が見出されると感じました。
困りごと解決部門
『準グランプリ』受賞作品
- タイトル
- 「身近な道路における速度超過の軽減~3Dクロスウォークを通して~」
埼玉県 筑波大学附属坂戸高等学校
河原圭吾さん・中村恵さん・猪瀬春樹さん
審査員藥師 実芳
審査員の講評
地域課題を解決するために、行政や専門家等さまざまな地域の人たちを巻き込みプロジェクトを実施する姿勢が素晴らしいです。また、実際に校内に横断歩道をつくったり、校内で交通安全講座を実施したりと実践を積み重ねていること、また、効果検証や意見収集をもとに得た学びから柔軟に計画を変えていく姿勢が、まさに探求だなと感服しました。ぜひこれからも多くの人を巻き込みながら、学び・考え・行動し、また考えてというサイクルを巡らせて、社会を前進させてください。
困りごと解決部門
『入賞・オーディエンス賞』受賞作品
- タイトル
- 「でけぇおとだしてぇ!~騒音問題と環境問題の両方の解決を図る~」
徳島県立 城東高等学校
三宅智志さん・後藤龍空さん・
濵西葵さん・西園葵さん・西田まほさん
審査員篠原 果歩
審査員の講評
部活動で普段から直面されている身近な騒音課題に、ゴミ問題という社会課題をかけ合わせ、複数の素材を用いて多角的に実験と分析をされているところがとてもよかったです。また考察も深く今後のアクションやターゲットが明確で、さらに探究が発展していくことが期待できました。
ナゾ解明部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「本をより魅力的に見せるにはどんな帯にしたらいいのか?」
群馬県立 富岡高等学校
金井葵さん
審査員小仲 美奈
審査員の講評
本の魅力をより引き出す「本の帯」について、論理的に、様々な角度から検証していました。普段、私達が何気なく手に取っていた本も、実は帯のデザインや言葉で選んでいたのかもしれません。自身の経験を踏まえながら、深く考察を重ねている点を評価しました。
ナゾ解明部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「攻められない日本の首都を新たに考える-消えた城からの推察-」
神奈川県 湘南白百合学園高等学校
田岡和佳奈さん
審査員坪井俊輔
審査員の講評
日本の100名城の特徴を様々な観点から調べ尽くし、自然災害等の側面から、我が国の首都機能としての最適な場所を選定するという国土強靭化の観点でも、非常に重要な探究であると感じました。また、城好きであるという熱量が大きく感じられ、今後もさらに探究を深めていただきたいと感じました。
ナゾ解明部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「THE MOUTH POWER ~口の力~」
福岡県 西南学院高等学校
島北陽介さん
審査員小仲 美奈
審査員の講評
研究結果を自身の野球へ活かそうとしていた点がとてもユニークでした。統計から導いた新たな気づきに対して、さらに考察を重ねていた点も素晴らしかったです。研究を深めていくことで、体の動かし方やスポーツ医学に活かすことができると思うのでぜひ今後も研究を続けてみてください。
困りごと解決部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「日本が目指すべき食物アレルギーと共存するための姿勢」
千葉県 光英VERITAS高等学校
澁谷奏良さん
審査員藥師 実芳
審査員の講評
自身の”半径5m”にある課題から問いを立て、その解決のために取り組む姿勢を、尊敬します。また、アンケート調査を通じた実態把握や文献を通じた日本と海外の比較で得た知識をもとに、誰もが情報を得られるサイトづくりへと実践を進めている点も素晴らしいです。ぜひこれからも、自身の身近な課題を「しかたない」と諦めるのではなく、「きっと変えられる」と信じ考え行動し続ける一人であっていただけることを願っています。
困りごと解決部門
『入賞』作品
- タイトル
- 「高校生の“やってみたい”を詰め込んだ空き家プランニング」
香川県立
小豆島中央高等学校
鈴木希空さん・山角優羽奈さん・中村心香さん・
山下未鈴さん・岸田優果さん・諸石知宙さん
審査員篠原 果歩
審査員の講評
実際に地域で活動している団体の活動を見学し解決策へのヒントを得ていた行動力を評価し、その導き出した解決策に高校生の「おもしろそう」が詰まっていたことが印象的な探究でした。地域の統計データも参照されており、その視野の広さを活かして多くの人からの意見を集め反映させることで、さらに若者を引き付ける魅力的な取り組みになることを期待しています。
審査員※2023年時点の情報です
審査員長
黒上 晴夫
関西大学
総合情報学部 教授
情報を一覧し考えをつくり出すのを助ける、シンキングツールの普及に力をいれている。デジタル・シンキングツールを研究。学習指導要領改訂では、「探究」関連で深く関わった。探究ナビ、探究ナビBasic監修。
審査員
小仲 美奈
宇宙工学エンジニア
大手企業研究所所属
東北大学工学部を早期卒業、同大学院工学研究科航空宇宙工学専攻修了。在学中に米・カリフォルニア大学、国際宇宙大学(オランダ)、独・ベルリン工科大学へ留学した。JAXA、パリ天文台、大手企業研究所などで宇宙技術の研究開発を行う。Forbes 30 under 30 Japan 2022受賞。
審査員
藥師 実芳
認定NPO法人ReBit代表理事 / 社会福祉士
大学在学時にReBit設立。行政/学校/企業等でLGBTQやダイバーシティ研修実施、キャリア支援、国内最大級のダイバーシティ・キャリアフォーラム開催を行う。
審査員
田村 学
國學院大學
人間開発学部 教授
文部科学省教科調査官、視学官として学習指導要領改訂を推進した。新学習指導要領実施のカギとなる「主体的・対話的で深い学び」を実現する教育実践について教育現場に伝える活動を行う。
審査員
坪井 俊輔
サグリ株式会社
代表取締役CEO
1994年横浜生まれ。横浜国立大学理工学部を卒業。民間初宇宙教育会社、株式会社うちゅうを学生起業。 その後、衛星データとAIを活用し、農業と環境の課題解決を行う岐阜大学発ベンチャーサグリ株式会社を創業。
審査員
篠原 果歩
スポーツ国際開発専門家
立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程
スポーツを通じた社会課題解決を軸に、パラリンピック教育の国際展開、国際NGOローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団の職員として女子エンパワメントに取り組む「プレー・アカデミー with大坂なおみ」に従事。
特別講演
2021年度に準グランプリを受賞し、現在宮崎大学に通う先輩からの特別講演。大学に入って探究的な学びをどう活かしているかをお話いただきました。
特別講演
宮崎大・石川 茉和(大阪府初芝富田林高校出身)
コンテスト応募概要
応募対象
「探究ナビ」「探究ナビBasic」ご採用校の生徒が対象です。エントリー期間は10/2(月)~11/27(月)です。
10月上旬にご対象校宛てにご案内FAXをお送りいたします。
審査の基準
総合的な探究の時間などで取り組んだ探究の成果をもとに、「問題を発見する力」「調査する力」「分析する力」「主張をつくる力」「課題を新たに設定する力」の5つの観点から総合的に評価します。
応募部門
応募部門は「ナゾ解明部門」「困りごと解決部門」の2部門です。
自分の興味関心や疑問に感じたことを追求しようと探究したキミに参加してほしい!
テーマの例
・スポーツの試合の勝敗に応援は関係あるのか
・やる気が出る言葉はなにか
・注ぎ方によってお茶の美味しさが変わるのはなぜか
・よい写真とはどのようなものか
「だれか」や「自分」の困っていることアイデアで解決しようと探究したキミに参加してほしい!
テーマの例
・子育てが不安な親同士が育児について気軽に話せる場所をつくるには
・スマホ依存を止めるためにはどうしたらよいか
・どうすれば外国人が働きやすい環境がつくれるか
・障がいのある人への差別・偏見をなくす方法
応募の流れ
先生がお申し込みURLより1次審査提出予定の生徒数をご連絡
生徒各自が探究の概要をWebフォーム(文章)で提出
結果発表 12月26日(火)
ご担当先生より、生徒の探究成果物(スライド等)をネット経由で提出
結果発表 2024年2月8日(木)
オンラインイベントでの発表および審査員からの質疑応答
- ※学校エントリー資料は、教材ご採択校へ10月上旬にFAXにて送付いたします。
ご参加校の声
学校の指導スケジュールのなかでコンテストに参加。生徒の自信にもつながった
『探究ナビ』『探究ナビBasic』を利用して「総合的な探究の時間」を行っており、その取り組みのなかで、「全国探究コンテスト」に参加しています。本校では一人ひとりがChromebookを購入・所持しているので、いつでも探究に取り組むことができます。探究の最終成果物をまとめるのは2月ですが、1次審査応募時点で、ちょうど探究の概要ができているくらいですので、学校のスケジュールとも合致しています。
本校では探究のテーマ設定やプロセスを重視しています。この「全国探究コンテスト」はテーマが自由で、応募のツールの制約もないのがいいですね。1・2年ともに地域探究に取り組んでいるので、テーマがSDGs等に絞られているコンテストは応募しにくいことが多いです。
誰もが今、学校でやっている活動がそのまま提出できるので、生徒も教員もハードルは低めです。
1次審査を通過した生徒は、外部の人が自分の探究を評価してくれたと、自信につながったようです。
コロナ禍で、活動発表の場に制約があったり、外部の人を呼びにくい状況だったりするので、コンテストという場は指導の一助になっています。
「全国探究コンテスト」を利用し、省力化しながら外部評価を取り入れる
本校では『探究ナビBasic』を活用しながら、総合的な探究の時間を実施しています。
5年(高2)の12月に校内で行っている「探究学習発表会」が発表のメインの場で、その内容をそのまま「全国探究コンテスト」へ応募させています。さらに、6年(高3)で探究論文を作成し、活動を終えます。
校内の「探究学習発表会」の時に外部の審査員に評価を依頼しようという声もありましたが、どうしても教員の負担が増えてしまいます。コンテストに応募することで、外部からの視点・評価の機会が得られますし、「探究学習発表会」に向けて動画の成果物は作成しているので、コンテストに向けた支援もそれほど行う必要がありません。
「探究学習発表会」は生徒の相互評価で表彰します。その上位者と「全国探究コンテスト」の1次審査通過者はほとんど同じでした。生徒たちも校内で選ばれた友達が、外部コンテストでも評価されていることを嬉しく感じたのではないでしょうか。
「全国探究コンテスト2022」最終審査イベント
昨年度の最終審査での発表や質疑応答の様子が動画でわかります。