ビジネスシーンで英語を話す、つまりスピーキングスキルを多用する手前に、海外との商談を獲得するための最初のコンタクトツールはメールです。
15年前に弊社で行ったアンケートによるとビジネスシーンで最も英語を使うシーンは断トツでメールライティングが1位でした。
Web会議が多く実施されるようになった現在でも、メールの使用頻度は高くあるでしょう。
そこで今回は、メールライティングのスキルを上げるためにはどのような学習方法が最適なのかをご紹介します。
目次
ビジネスシーンにおける英語メールの基礎構成を抑える
メールライティングは下記のような基本構成があります。
a)メールの書き出し
Dear…, Hi,…などに続けて、相手先を記載します。
b)本文
ライティングする際に、4つのポイントがあります。
多くの日本人がレターライティングと混同し、社交辞令や季節の挨拶などで切り出しがちですが、ビジネスでのメールライティングではまず要件や結論を説明します。
その後に詳しい事情を書き加え理解を促進します。英語が苦手な方にとって非常に有効な手法は“箇条書き”です。
箇条書きで記すルールは、文頭の品詞を揃えること。主に1文は12語程度に。これがクイックなメールライティングの秘訣です。
c)結語
Best Regards, All the Best,などを添えます。
d)文末
最後に自分の名前や署名を加えます。
a)~d)の流れが分かっているだけでもメールライティングのスピードは飛躍的に上がるのではないでしょうか?
加えて、a)~d)で多用される定型表現を幾つか獲得しておくことで、更にビジネスの英語でメールをライティングするアレルギーが払拭されます。
幾つかのお勧め定型表現をご紹介します。
ネイティブの英語メールを借文する
ビジネスシーンにおける英語メールのライティングの基本構造が分かったら、次の課題は如何にネイティブらしい文面にクオリティをあげていくかが課題になってきます。
そこでお勧めしたいのが「借文」です。「借文」とは、文字から想像ができるとおり、ネイティブが送ってきたメール文面を“拝借”して文章を作ることです。
まず手始めに行うことは“Golden Sentence”の獲得です。
TV会議を開催する通知や、会議のアジェンダの通知、あるいはプロジェクトが成功した時に激励のメールや、具合が悪くて会社を休むと連絡してきた時の労いのメッセージなど、ネイティブからメールが送られてくるシーンは様々です。
その際に、「この言い回しかっこいいな」や「これは非常にネイティブらしくて自分からでは出てこなかったな」と思うような英文をメール機能の[下書きフォルダ]などにどんどん保存します。
“Golden Sentence”とはこれらの保存した英文を指します。
次に、獲得した“Golden Sentence”を実際のメールライティングの際に“流用”します。
これは、前述の定型表現を増やすこととは少し違い、自分のビジネスシーンに最適化されたネイティブらしい言い回しの文例集を自分の中で取り貯めるのに近い学習です。
重要なのは、取り貯めるだけではなく“流用”することです。使わなければ、自分のスキルは上がりません。どんどん積極的に“流用”し英文メールライティングにチャレンジしましょう。
ここでは、ビジネスメールに多用されるTV会議の開催通知をご紹介します。
非常にネイティブライクで、簡潔、かつポイントをきちんとおさえた無駄のないメール文です。
まずはこのメール文から「借文」をスタートしてみませんか?
日本のビジネスパーソンにこそお勧めしたい「英語で日記を書いてみる」
海外赴任を経験した日本のビジネスパーソンのエピソードとして非常に多いのが、会食やパーティーの場で英語を使うのに苦労をしたという話です。
仕事関連の英語であれば、そもそものビジネス知識や商品知識などである程度のやり取りができる方でも、自分の感情や趣味嗜好などに関しての語彙や関心が乏しく、人間関係を構築するのに非常に苦労する方が多いのが実態です。
そこで日本のビジネスパーソンにこそお勧めしているのが「英語で日記を書いてみる」という非常に有名な英語学習方法です。
ではなぜ日記なのでしょうか?ここがポイントです。
日記を書くことによって、「嬉しかった」という表現1つをとってもhappy, glad, pleased, 表現は様々です。
感情表現を多様化させるのには日記を書くことが最もふさわしいのではないでしょうか?
また、日記には仕事以外のエピソード、例えば感動した映画や本、偶然聞いた面白い話、出会った人など、仕事から離れたオフの場での出来事を積極的に英語にしていくと会食やパーティなどでネタに困ることもなくなるはずです。
英語ライティング学習の秘訣は「書く」ことではなく「打つ」
最後に、せっかくビジネスの英語ライティング学習をするのであれば必ず実践して欲しいのは「打つ」です。
つまりライティング時に手で「書く」ことから卒業し、キーボードで「打つ」あるいはスマホで「打つ」事をお勧めします。
自分の手で書いている限り、スペルミスやFunctionミスは誰にも指摘をされません。
間違ったスペルや文法ミスをただ書き続けてもライティングスキルを上げるには途方もない時間がかかってしまいます。
しかし、メールや日記をタイピングすることで、自動的にスペルミスやFunction的なミスを指摘してもらえます。こんなに便利な学習方法が他にあるでしょうか?
まずは今日から「英語で日記をタイピングしてみる」そんな学習から初めてみてはいかがでしょうか?