
いつもの仲間だからこそ生まれる対話がある。高齢者向けホーム運営チームでのウェルビーイングワークショップ
クリスマスが近づく12月下旬、介護事業を展開している株式会社ベネッセスタイルケア(以下「スタイルケア」 )のスタッフが参加して行われた、ウェルビーイングワークショップを見学しました。
ウェルビーイングワークショップをひろげたい!強い思いから始まったプロジェクト
今回ワークショップを主催したのは、スタイルケアの猪爪が率いるプロジェクトチームです。ベネッセ ウェルビーイングLab(以下 「Lab」 )は、スタイルケアと定期的に情報交換をしており、猪爪はLab主催のウェルビーイングワークショップに参加したこともありました。
ウェルビーイングについて考えるワークショップをスタイルケアで展開したい、そう思うようになった猪爪は、プロジェクトチームを結成。新規事業や業務改善を社員が提案できる 「社内提案制度」 に応募し、介護・保育カンパニー(当時)内の審査で優秀賞を獲得。公式の活動として、ワークショップを実施できることとなりました。チームにはLabの泉も参加しており、一緒に活動を行っています。

なぜ猪爪は、スタイルケアでウェルビーイングワークショップを行いたいと考えたのか。まずは 「ウェルビーイング」 との出合いを本人に聞いてみました。
「仕事仲間に『ウェルビーイング』という言葉を教えてもらったことをきっかけに、その概念を書籍などで学びました。日常生活でも意識するようになると、それまではやらされ感を感じていた仕事が自らやりたい仕事へと意識変換できるようになる、何かを選択する場面では本当にやりたいのはどちらかをしっかりと考えて選ぶことができるようになるなど、より主体性をもって動けるようになったのです。」
そこからどのようにワークショップへとつながっていったのでしょうか。
「社員が『ウェルビーイング』の概念を知るだけでも一人ひとりのやりがい向上や活き活きとした職場づくりにつながるのでは、と考えていた中、Labのワークショップに参加し、自分やチームのウェルビーイング、『ありたい姿』について考え対話するワークショップが、『その方らしさに深く寄りそう。』を理念としているスタイルケアにぴったりだと感じ、スタイルケアでも行いたいと思いました。
私たちは、ホームに入居してくださるご高齢者の『ありたい姿』『らしさ』を大切にすることでご入居者のQOL(生活の質)向上を目指しています。でも実際、ご入居者の『ありたい姿』『らしさ』をとらえることは難しいこともあります。自分や身近にいる仲間の『らしさ』や『ありたい』を考えてみることが、お客様の『ありたい』をとらえることにもつながるのではと思っています。」
参加者の仕事に対するやりがいアップや職場の活性化だけでなく、ご入居者のQOL向上にもつながるのではないか。そんな猪爪の強い思いから始まったのがスタイルケアでのウェルビーイングワークショップでした。
笑いと共感の中に見えた、仲間の 「本音」
今回のワークショップには、高齢者向けホームの運営を担当している4つの事業部の方々が集まりました。いかにご入居者の方のQOLを上げるかを日々考えている皆さんに、この時間だけは、自分に意識を向けてもらいます。「自分のことを考えるって、いわれてもなぁ…」 と戸惑いが見られましたが、3-4人ずつ、3つのグループに分かれてスタートしました。
前半は自分について。
- 「私のウェルビーイングな状態」 を 「自分の言葉」 で表してみよう
- 「私がよりウェルビーイングな状態になるために、私がありたい姿」 を持ち帰ろう
この2つについて考え、対話します。
1つめ 「私のウェルビーイングな状態」 としては、趣味のこと、家族の幸せや成長、仕事での成功や認められること、などが共有されていました。大好きなサッカーチームの話や、職場でもある地域への地元愛など、「本当に好きですよねえ!」 と笑いを誘う熱弁が繰り広げられます。

2つめ 「私がありたい姿」 については、「仕事を忘れて余暇や睡眠に没入できること」 と、日頃は仕事中心の毎日であることをうかがわせる人も。「どうしても気になって、家でも1時間おきに仕事のメールを確認してしまう。」 といったリアルな声に、共感もあれば、「終業後は極力チェックしないようにしているよ。」 「もう少し鈍感になってもよいのかもしれない。」 といった声や気づきが生まれる場面もありました。
同じ目標に向かって仕事をしている仲間だからこそ分かり合える内容について、仕事中には交わされないであろう、本音での対話がされていたことが、このワークショップならではかもしれない、と印象的でした。

後半は、チームについてです。
- あなたにとってのウェルビーイングなチームとは何かを考えてみよう。
- ウェルビーイングなチームにするために私ができることは何かを考えてみよう。
前半の自分について考えるパートでは筆が進まなかった人の中には、チームのこととなると勢いよく何枚も書き出す人もいました。具体的にご自身のチームを思い浮かべながら考えている様子です。

ここまでは各テーマについて、まずは一人で考え、各グループ内で共有、という流れで進めてきたのですが、「ウェルビーイングなチームにするために私ができることは何か」 というテーマについては、全体で共有することに。
- 全員で同じゴールを見て結果が出せるチームでありたい。そのために、コミュニケーション、話すこと、感謝することを大切にしたいです。
- 楽しくメリハリのあるチャレンジングなチームがウェルビーイングと感じます。入社1年目の私は 「新人らしくがむしゃらに」 ということが足りなかったと思うので(皆笑)、個人としてもチャレンジしていきたいです。
- 今のチームは向上心を持ち、それぞれの裁量の中で判断し行動してくれていてとても良いチームです。みんなで時々ランチに行くことも良い効果があると感じています。今後はより効率的な働き方も考えていきたい。
- 一人ひとりの力を発揮しながら結果につなげられるチームにしたい。私は人の目を気にしてしまうことが多いのですが、気にせず、話したいことをしっかりと伝えていこうと思います。
エピソードも交えながら参考になる考えが共有され、気心知れた仲の良いチームということがよくわかる、ツッコミあり、笑いあり、共感ありの時間の中で、さまざまな気づきや刺激が生まれました。

自分を見つめお互いを知る、きっかけとなるワークショップ
終了後、参加したかたに感想をいただきました。
- 常にご入居者のQOLを考えていましたが、改めて自分自身と向き合い、「私らしさってなんだろう?」 を考える機会になりました。
- 自分自身の今を見つめ直し、相手をより知ることができました。
- 次の機会があったら、自分のマインドがどのように変化しているのかを確認したいと思います。
また、今後ご自身の部門に展開したいという声も多く寄せられました。
- 自身を見つめ直し、互いの考え方や思いを知る良い機会になると思います。
- メンバーがどういう状態かを知ることができそう。
- このようなことを考えたり共有したりすることが苦手な人もいるかもしれないが、考えるきっかけになったり、心がすっきりしたり、生活を見直すきっかけになったりすると思うので自分のチームでも実施してみたい。
開催した猪爪は、ワークショップを終えてどのようなことを感じたのでしょうか。
「自分をみつめなおす時間になった、仲間のことを知ることができた、横展開したい、という感想が多かったことや、当日の様子から、ワークショップが自分のウェルビーイングを考えるきっかけとなり、チームビルディングにもつながると感じました。お互いを知ること、強み弱みを理解することでさらによいチームになるはず。その1つの機会にこのワークショップがなれたらと思います。」
そんな手ごたえを感じた一方で、改善したい点もあるといいます。
「自分のウェルビーイングややりたいことを挙げるだけでなく、なぜそれが幸せだと感じるのか、を対話の中で深ぼっていけると、より根っこにある自分の価値観に気づくことができるかもしれません。深ぼることには技術も必要です。でもそれができると、より自分や相手のことを知ることができますし、さらにお客様のお話を聞く時にも活かせると良いと思います。
自分が大切にしていることを認識して、その価値観と、選んだ仕事や会社がつながっていることに原点回帰して気づけると、日々のタスクにもより前を向いて取り組める、やりがいを持って働ける、など変化があるのではないかと感じます。」
今回みなさんのお話を聞いていて、一緒に仕事をしている仲間と、今の仕事やチームにつなげて対話をすると、自分自身やお互いのことを知ることができるだけでなく、日常の生活や仕事に活かせるヒントを得ることもできるのだという発見がありました。
スタイルケアではウェルビーイングワークショップの別のチームでの実施も予定しているとのこと。今後も 「ありたい姿」 について考え、対話を通じてスタイルケアらしい活き活きした職場づくりやサービス向上を目指す活動は続いていきます。