Benesse 「よく生きる」

データ活用による
最適な学習提案

一人ひとりの学習履歴をデータ分析し、より良い教育サービスを
スピーディに提供

データソリューション部 ゼミ分析推進課
高ゼミグループリーダー

中島悠太

Yuta Nakajima

データソリューション部 ゼミ分析推進課
高ゼミグループリーダー

中島悠太

Yuta Nakajima

ベネッセグループではかねてより、データ利活用に注力している。既存サービスの価値や新規サービス開発でデータをさまざまに活用し、成果に結びつけている。進研ゼミ高校講座で分析チームのリーダーを務める中島悠太も、そうしたデータサイエンティストのひとり。いまある課題に対して、データをどのように読み解き、顧客価値をどのように高めているか。その例を中島に聞いた。

Mission

データで事業を追いかけ、発展させる

前職からデータサイエンティストとして活躍していたそうですね。

私はもともと、ベネッセコーポレーションから分社独立したBPOサービス会社、TMJに籍を置いていました。TMJはクライアントのビジネスプロセス代行にあたり、そのデザインや効率化にデータサイエンスを積極的に導入している会社です。私もそこで機械学習モデル構築をはじめ、テキストマイニングを用いてのトークスクリプト改善、数理計画法による多人数の電話オペレーターの勤務シフト作成などを経験しました。
2015年、ベネッセコーポレーション分析センターの新設にあたって、その立ち上げメンバーとしてTMJより出向しました。そこでは、お客さまの契約情報や教材活用に関するデータを抽出する環境の構築をはじめ、販売施策・商品サービス改善のための分析も手がけました。例えば、進研ゼミ会員様の属性や活用状況の変化をもとに、退会リスクを算出する機械学習モデルの設計とプログラム実装などです。
2019年4月からはベネッセに籍を移し、中学生事業部の分析担当として学習履歴ログの分析や事業KPI設計を行い、翌年からは高校生事業部向け分析チームリーダーとなりました。
ベネッセ入社以前はアウトソーサーとして、クライアント関連業界の分析をスポットで行うことがほとんどでしたが、ひとつの事業と深いかかわりを持ちながら、ビジネスの変化を追いかけたいという想いが強くなりました。ベネッセには分析結果をもとに、現場メンバーと一緒にビジネスを変えていける環境があります。そこが私にとって大きな魅力であり、モチベーションとなっています。

現在はリーダーとして後進の指導もしているそうですね。

進研ゼミ高校講座の分析チームリーダーとして、お客さまひとりひとりのデータを分析し、事業改善を提案、サービスの価値や生産性の向上に結びつけています。また、事業目標の達成状況に応じて必要な打ち手を行う判断のサポートや、進研ゼミ会員向けのサービス開発や講座企画の根拠となるデータ抽出なども行っています。
これらの業務をチームで円滑に進めていくための環境づくりやスタッフの育成、チームマネジメントも私の役割です。具体的には、分析用データ作成プロセスの標準化や、チームメンバーが分析の企画立案をする際のサポートなどをしています。

Solution

授業参加率、20パーセント向上を実現

データ分析が事業改善につながった例を教えてください

進研ゼミ高校講座の分析を行い、改善提案を行いました。2021年度から高校講座のメインサービスとして「オンラインライブ授業」をスタートしましたが、参加者の満足度は高い結果を得られていた反面、想定していた規模のユーザーを獲得できていない状況でした。講座サービスの価値をお客さまに伝えきれていない可能性が考えられ、また、非参加者のサービス満足度低下につながっていないかという懸念も生じていました。
オンラインライブ授業というサービス自体を知らない人、あるいは開催時間にスケジュールが合わないという理由でオンラインライブ授業に参加できないユーザーにとって、どうすればサービスを使いやすくなるか、対策の打ち手を見出すための分析を行う必要がありました。

分析によってどのような仮説が得られましたか?

満足度などの定性調査や、過去の参加者属性などのデータや情報をもとに仮説を整理し、進研ゼミ会員の状況別にサービス活用の観点を分類するアプローチをとりました。観点は次の2つを設定しました。
1.オンラインライブ授業サービスがそもそも「認知されていない」のではないか
ユーザーがそもそもデジタル教材自体を使っているかどうかのデータと、Webでのゼミ告知の浸透状況の相関関係を分析。その結果、オンラインライブ授業サービス活用に至るまでの、Webサイトの導線に歩留まり箇所があるのではという仮説に至りました(仮説1)。
2.オンラインライブ授業サービスと「時間が合わない」要因はどこにあるのか
授業の時間割設計にあたって、高校生の行動調査結果に基づいてスケジューリングしていましたので、「時間が合わない」は要因としてはそれほど大きくありません。さまざまな考察を経て、参加のしにくさはその授業時間が長いことに起因しているのではないかという仮説を立てました(仮説2)。

仮説の検証により、どのような結果が得られましたか?

■仮説1:進研ゼミWebサイトのファネル分析を行ったところ、オンラインライブ授業サービスなどが掲載されている「講義一覧」のページに至る段階で離脱割合が高いことが判明しました。そこで、講義一覧ページへのバイパス導線となる特設ページを設置したところ、これまでの導線を経由した会員よりも参加率が20パーセント以上も改善しました。
■仮説2:進研ゼミのデジタルサービスの利用頻度が高いユーザーが、ゼミ教材のデジタル学習行動にかける時間を分析したところ、20~30分がボリュームゾーンであることが判明しました。分析前の授業時間は一律60分でしたが、テーマを絞り20分に時間短縮したコンテンツをリリースしたことで、MAU(Monthly Active Users)を4.5%伸ばすことができました。
これまでの分析によれば、サービスの活用頻度と進研ゼミの継続には強い相関関係があります。つまり、サービス参加率や利用率を高めることが、進研ゼミを続ける原動力となり、それが結果的には事業KPIの達成につながります。そうした事業の発展に、この分析を通して寄与できたと思っています。

Foresight

データを知るほど、顧客価値を高められる

今後、データをどのように活用していきたいですか?

ひとりひとりの学習に対するやる気や習熟度に合わせた「個別化」が、学齢を問わず、今後いっそう求められると予測しています。そうしたニーズを踏まえつつ、お子さまのデータを適切にインプットすることで、期待以上のサービスがご提供できる仕組みづくりに携わっていきたいと考えています。
また、既存サービスの分析だけにとらわれず、新たなサービスの開発にも積極的にチャレンジしたい。高校講座には、取り組んだ問題の正誤履歴データをもとに次の問題をレコメンドしてくれる「AI StLike(エーアイストライク)」というアプリがあります。このように、データの用途はまだまだたくさんあり、その活用によって新たな価値や体験をお客さまに提示することができます。データが持つ意味を理解し、アイデアによって活用の幅を広げることで事業の進展に貢献していきたいと思います。

この仕事は、企業理念「よく生きる」にどのようにつながっていますか

仕事を通じてどこまで自己実現ができるか。それが「よく生きる」ために非常に重要な要素なのではないか、と私は考えています。お客さまのリアルな反応がわかるデータを通じてさまざまな部門のかたと議論しながら仮説を立て、実際に打ち手につなげる。そのようなことを重ね、スタッフが一丸となって考えた企画が成功することは、自己実現のひとつといえるでしょう。ただ私はそれ以上に、私たちが一番に向き合うべきお客さまから、ベネッセのサービスを通じて満足のお声をいただけることが大変にありがたく嬉しいことであり、この仕事に携わって良かった、次も頑張ろう!という気持ちになります。

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