CASE STUDY

オンラインならいごと「チャレンジスクール」で多様な学びを支援。学びを届ける側の希望も作るDX

自宅で「好きなこと」を夢中になって学ぶことを通して、将来の可能性が広がる新しい学び体験を提供する。そんな子どもたちの多様な学びを支援するベネッセの新サービスが2022年4月スタートした。それが、自宅にいながら学べるオンラインならいごと「チャレンジスクール」。当社の数々のDX事例の開発過程を体験し、いまデジタルを利用した新事業としてローンチされたチャレンジスクール事業部を率いる永田祐太郎に新サービスへの想いを聞いた。
  • インタビューは2022年に実施

永田 祐太郎

校外学習カンパニー チャレンジスクール事業部 部長

ベネッセ入社後の4年間は学習教材の編集を担当した後、「進研ゼミ高校講座」のデジタル化・スマホファースト化を担う。2019年にR&D部門へ異動となり、「AI StLike」や「StudyCast」「ClaCal」といった当社におけるDX活用の先駆的事例のサービス開発に携わる。その後、小学生~高校生向けまで展開する「進研ゼミ」のオンライン講座の基盤開発(システム開発・機材調達・業務運用設計)を担当した後、新規事業開発室で「チャレンジスクール」を開発し、現在は、2022年に新規事業として立ち上げた「チャレンジスクール」の開発責任者として率いる。

ISSUE(課題)

共働き家庭の抱える習い事への課題への需給ギャップ

「チャレンジスクール」は、自宅で始めるオンラインの習い事のご提案で「送り迎え不要」「全国どこでも一流のコーチの指導が受講可能」「全国基準の検定により成長を実感できる」といった数々のメリットがある新形態の学び事業です。

チャレンジスクール事業部としては、市場調査、事業計画の策定、各ジャンルの一流パートナーと協業するビジネスモデルの構築とその具体的な業務設計と実運用、そして、実証実験から改善まで、事業立ち上げに必要な業務をすべて担当しています。

まずお客様の側には、共働きのご家庭を中心とした「送り迎えの負担増」、習いたい習い事が近くにない「地域格差」という課題、そして「学習以外の学びに対するニーズ」が増えているのにそれが手の届く形で提供されないという需給の不一致がありました。

SOLUTION(ソリューション)

パートナーと共創し、デジタルで新しい学びを切り拓く

ベネッセが2021年6月に習い事に関する調査を実施したのですが、約6割の幼児・小学生の保護者から習い事を通して「好きなこと・得意なことを見つけて自信をつけてほしい」「将来の可能性を広げてほしい」という回答があり、学習以外の学びのニーズのあることが分かりました。しかし習い事を事業として判断した時、現実的には個人経営が多く、商圏も狭く、コロナ禍などからオンライン化を目指すもビジネスモデルを変えるのは難しいといった構造的な問題がありました。その課題をクリアしてお客様のニーズに応えようとしたのが「チャレンジスクール」の構想でした。

2022年春から「チャレンジスクール」は、小学生の子どもを中心に「ダンス」と「アート」のサービスを開始しました。この2つの専門ジャンルの授業はいずれもその分野で十分な実績のある一流パートナーとの共創によって提供しています。

サービス開発にあたっては、単なるコラボによるオンライン授業ではなく、パートナー企業が持つ各習い事特有のノウハウと、ベネッセが持つ学びのニーズを抱えるお子さんにオンラインでサービスを届けるしくみを掛け合わせ、それを磨き上げた上で、子どもたちへ届けることに強くこだわりました。

RESULT(結果)

続々と届くお客様からの嬉しい声。学びを届ける側の希望へとつなげる

「チャレンジスクール」は、2022年4月にサービスを開始したばかりで、今まさに変革中です。ただ、先行して何度か行ったトライアルで、お客様から下記のように嬉しい評価をいくつも頂きました。

お客様の評価
「近くに教室がなく、また兄弟もいるので送迎が難しい状況だったのでオンラインレッスンを開講していただき大変嬉しく想っています。子どもも毎週楽しく取り組んでおり、先日発表会を終えた際には達成感も得られたようです」
「子どもが毎回とても楽しんで参加しており、そばで成長を見守れるのは親としても嬉しいです。またアプリで自主練ができるのはとても効果的だと思います。継続してレッスンを受講できることを切に願います!!」
「レッスンにとても満足できました。先生の声がけもあり、動画の長さや使い方もちょうど良く、子どもが楽しめていました」

また、トライアルでもう1つ嬉しかった反応は、「オンライン化は難しい」とおっしゃっていた習字教室の社長が、トライアル2回目の授業後に「私は確信した。このサービスは絶対上手くいく!」とオンライン習い事への確かな手ごたえを感じていただけた時です。DX化は、サービス化だけでなく、そこで働く人々の新しい働き方への希望につながるのだと気付かされました。

PERSPECTIVE

PERSPECTIVE

PERSPECTIVE

PERSPECTIVE

現在の業務にかける想いをお聞かせいただけますか。

私にはずっと、「学べば学ぶほど世界が広がる」という自分自身のビジョンがあり、「多様な学びを通して子どもたちの個性を育てるサービスを創りたい!」と思っていたので、この仕事を任されたときは、まさにこれが自分のチャレンジなんだと感じました。

今後の仕事におけるチャレンジを教えてください。

「チャレンジスクール」での挑戦はまだ始まったばかりです。現在*は、ダンスとアートの2ジャンルですが、9月に向けてジャンル数を拡大するために準備中です。またその後も多様なオンライン習い事を開講し、より多くの学び体験を全国の子どもたちに届けていきたいと考えています。

子どもたちが自分の「好き」を見つけて、それに夢中になることで、その子の自信となり未来が拓けていく、いわば「キミの夢中がキミの未来をつくる」、そんなサービスに育てていきたいと思っています。そのためには、もっと幅広い学びを全国の子どもたちにお届けすること。そしてオンラインだからこそできる新しい価値を生み出したいと考えています。

今回の事例で企業理念「よく生きる」を実践できたと感じることはありましたか?

新規事業だからこそ、当社の企業理念「よく生きる」と照らし合わせながら、チームメンバー皆が納得できるクオリティでサービスを突き詰めることができたと思っています。

チーム全員が、事業のパーパスやビジョンに共感して、お客様とサービスを育てて、絶対に満足して頂けると信じられるものをサービス化していくこと。そして、自分たちのパーパス・ビジョンに共鳴してくれるパートナーと出会い、ワンチームで一つひとつサービスの課題を乗り越えていくこと。そういった仕事のプロセスそのものが、私にとっての「よく生きる」だと感じています。

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