自分視点から、グループパーパスまで拡げると?
「ベネッセ ウェルビーイングLab」は、<多様性>と<対話>を大切にしており、正解のないウェルビーイングを、多様な価値観を持つさまざまな人と考えていくための<対話>の機会を提供していきたいと考えています。
その方向性を模索するために、まずは社内でウェルビーイングワークショップを開催しました。この記事では、ベネッセ社員が集まり、ウェルビーイングを考え、対話したワークショップの内容をまとめてお伝えします。
「自分の幸せな状態」を言語化し、視点を社会へと拡げる
ウェルビーイングワークショップの当日、ウェルビーイングや幸せに興味・関心のある社員が新宿の会議室に集まり、4人ずつ、2つのチームに分かれました。
ファシリテーターからの説明を受けた後、まずは自己紹介からスタート。事前にWebでアンケートに回答することで自分の幸福度や状況を可視化できるツール「幸福度診断Well-Being Circle」を実施した結果を用いながら、それぞれの違いや自分の状態を共有する時間をもちました。
人によって結果が全く異なることに驚きましたが、その後は「自分の幸せな状態」そして自分から社会へと拡げて「目指したいウェルビーイングな社会」をテーマとした2つのワークに進めていきます。
「自分の幸せ」を共有すると、一歩深く知り合える
1つ目のワークでは、「自分の幸せな状態」について考えます。まずは付箋に「自分の幸せな状態」を表すキーワードを書き出すのですが、ここですらすら書ける人と書けない人に分かれました。改めて問われると、意外と難しいようです。
その後、チーム内で共有します。付箋をホワイトボードに貼り、書きとめたキーワードの背景や思いを話します。一方のチームでは、自分軸で考える人と、人との関係性で考える人の2つのタイプに分かれた、という発見がありました。
■「自分の幸せな状態」のキーワード
- <自分軸>で考えた例
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- ・自分の好きなようにできること、自由
- ・課題解決をしていくこと
- ・成長できること
- <人との関係性>で考えた例
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- ・助けてもらえる、良い関係性がある
- ・仕事が世の中にインパクトを与えるとき
中でも盛り上がったのは、人との関係性で考えるタイプのメンバーから出た「推しが尊い」というキーワード。
具体的には、推し(好きな人や自身の子ども)が頑張っているとき、認められたとき、推しに自分が認められるときに幸せを感じることができる、ということだそうです。誰かを「好きだなあ」と思えるような健康的な心の状態に自分があることが、そもそも幸せ、という話もありました。
ウェルビーイングについて話していると、その人が何を大切にしているのか、どのような経験がそれにつながっているのかなど、人生観が垣間見えるので、一歩深くその人のことを知ることができるようです。
「巻き込まれること」もまたウェルビーイング
もう一方のチームからは、周りの人との関係がウェルビーイングに影響している、という意見が多くでました。
中でも興味深かったのは、「人に誘われたり、巻き込まれたりして進んでいくことが、結果的には自分の幸せとなる」という話です。
巻き込まれる、というと、どちらかというとネガティブな印象を受けますが、自分の選択肢になかった体験ができるのは、巻き込まれ、ならでは。ある程度成り行きに任せて進んでみるのもたしかにウェルビーイングなのかもしれません。
とはいえ、余白を持って振り返ったり、ひと休みをしたりすることも大切。そんな時間と、前進することの繰り返しによって、究極的にはマイペースが保たれウェルビーイングにつながる、というまとめがされていました。
後半では、2つ目のワークとして「ウェルビーイングな社会」を考えるにあたり、その参考として、「誰もが一生、成長できる。自分らしく生きられる世界へ。ベネッセは目指し続けます。」というベネッセのグループパーパスを皆で確認しました。
その言葉の中にある「自分らしく生きられる世界」とは、個人の周辺にある職場や家族、さらに地域や世界へと視点を広げていった先にある「ウェルビーイングな社会」へとつながる言葉ではないか。改めて「ウェルビーイングな社会」「自分らしく生きられる世界」って何だろう、という問いかけについて考えます。
片方のチームでは、どんな社会であれば、前半で話した「自分の幸せな状態」をかなえられるのか、そのための前提条件のようなワードが多く出ました。
- ・お互いに受け入れ合えることが大切
- ・心理的安全性がある
- ・ここにいて良いと思える
価値観や状況が違う相手と出会った時に、相手の態度や行動に少し驚くようなことがあっても、その人を決めつけずに理解し受け入れ合えることがありたい社会の姿。そのためには、理解をするための知識もまた必要、という話がありました。
また、直接であれオンラインであれ、「人と出会えることが大切」という言葉には皆が頷きます。互いに認め合え、人との関係性の中で自分の成長を実感できたり、自分の幸せにもつながる他者である“推し”が見つかったりするのも、人との出会いがあってこそ。
「出会い」という言葉からは、少し先を見据えたリタイア後のシニア世代へと話が及びました。シニア世代となると、特に異なる世代との出会いが激減してしまうことが多いのではないか?という課題があげられ、自身の周りにあるエピソードの共有、反対にそうはなっていない好事例の共有から、どうしたらよいのだろう、と話は尽きません。
理想の社会の姿を皆で共有し、具体的に思い描くことで、現状の課題がより鮮明になってきました。
一方で、もう片方のチームでは、
・人との関わりは大切である一方で、自分のペースで生きられることも大切
という話が出ました。
コロナ禍を経て人との関係性が減り、つながりを増やしていきたいという気持ちがある一方で、助け合いの精神は持ちながらも、強制や邪魔はしないような「ちょうどよい距離感」が必要。
それまでの当たり前がそうではなくなり人とのつながりについて考えさせられる期間を経た、今だからこその感覚かもしれない、ということが印象に残りました。
初の社内ワークショップは、自身の気づきや互いへの深い興味につながった
最後に、ワークショップを終えての思いを共有し合います。自分自身に向き合えた、人の考えに気づきを得た、など、様々な感想が出ました。いくつかご紹介します。
今回、初めての社内「ウェルビーイング」ワークショップでしたが、参加者それぞれ、発見や持ち帰る思いのある良い時間となったことがその感想からうかがわれました。「ウェルビーイング」をテーマに話してみると、自分についての新たな発見があるとともに、お互いをもっと知りたくなる現象もおき、チームビルディングなどにも役立ちそうです。
なによりも、色々な人とウェルビーイングについて話すことって、面白い! そう改めて感じられた時間でした。
ベネッセ ウェルビーイングLabでは、今後、社内だけでなく、社外の、年代や背景も様々な方ともウェルビーイングについて考え・対話する機会を設けていきたいと考えています。